2024-03-12 22:40 追加
退団発表のアルテミス・成田郁久美監督「みんながバレーボール選手として成長してくれたのがすごく誇らしい」、奥山優奈「同じチームと5回戦いました。みんな同じバレーボーラー。よかったっす!」 V3女子
アルテミス北海道 会見コメント
V女子
3月12日、バレーボールV3女子のアルテミス北海道より勇退選手、退団スタッフの発表が行われた。
天満谷美穂選手、内野咲季選手、奥山優奈選手、井澤天音選手、真田知紗都選手、浦山絢妃選手が勇退(天満谷・内野両選手は現役引退を表明。それ以外の選手は今後について未発表)。成田郁久美監督はじめ5名のスタッフが退団。
チームは設立3年目。Vリーグに参入し、V3というカテゴリーで準優勝の成績を収めたが、新リーグ構想の中で大きな転換期を迎えることになる。
本記事はこの退団リリースを前提としたものではないことをあらかじめお知らせしておく。
そのため、本文に一部違和感を感じるかもしれないがご了承いただきたい。 (文責:堀江丈)
2月24日、25日にAGF鈴鹿体育館(三重県)で行われたバレーボールV3女子、アルテミス北海道の試合後会見コメントをお届けする。
最終戦まで倉敷アブレイズと優勝を争ったアルテミス北海道は惜しくもV3準優勝。
しかしながら、結果以上に得たものがあったようだ。
かつてのレジェンドプレーヤー、成田郁久美監督が勝負に対して何を大事にしてきたか、そして後継者たちに何を伝えていこうとしていたのか、そういったことも感じていただければ幸いである。
2月24日 第1試合 カノア 0(24-26、18-25、17-25)3 アルテミス
勝利数で2位倉敷を上回るアルテミスはこの試合を勝って優勝に王手。
第2試合、倉敷対ヴィアティンは倉敷が勝って、優勝は翌日の直接対決に持ち越された。
■アルテミス北海道
●成田郁久美監督
大会ラストの週、自分たちの良さをしっかり試合で出したいと思っています。
今日は選手たちが高い集中力で最後の1点を取りきるまでしっかりと頑張ってくれました。選手たちを褒めてあげたいなと思っています。
●小室祐里選手(アウトサイドヒッター)
何が何でも勝つという気持ちが出た試合だったと思います。ストレートで勝てたのですごく嬉しかったです。
●奥山優奈選手(セッター)
絶対勝つという気持ちがしっかり前に出たと思います。プレーにその気持ちが乗って1点を積み重ねられました。
明日は本当に最終戦になります。今日よりも強い気持ち、良いパフォーマンスが出せるようにみんなで頑張っていきたいと思います。
●井澤天音(ミドルブロッカー)
今季カノアさんとやるのも最後の試合になりました。今まで積み重ねてきた対策をしっかり出せましたし、苦しい時でも全員で1点を取りに行けたので良かったと思います。
●真田知紗都(オポジット)
勝つことも大事でしたが、まずは1点を全員で取ること、全力で喜ぶことを最後まで貫くことができました。
――成田監督に。明日の最終戦、倉敷との直接対決で優勝が決まる可能性があります。
成田:そうなるかもしれません。でも、いつも選手たちに言っているのは「結果ばかりを見るのではなくて、その過程を大事にしてほしい」ということなんです。
自分たちの良いところを出して、1点ずつを積み重ねていくことが試合の中の優位性、勝負に繋がっていくということですね。
試合後のケアとか食事の取り方、睡眠も含めて明日に向かって戦いはもう始まっていると思っています。
――「最後に勝ち切るために」何が大事だと考えますか?
成田:事実上の決勝戦ですから、勝負がかかる場面では「勝たなければいけない」とか「決めなければいけない」とか、そういう状況に絶対になるんですよね。
でも、そこで「決めなくちゃいけない」と自分を追い詰めるんじゃなくて「ここで自分が決めてやる」みたいにポジティブな気持ちで向き合ってもらいたいんです。
ここぞという場面でプレッシャーがかかるのは当たり前なんですけれども、それを良いプレッシャーにできるかどうか、ですね。
結果について責任を負うのではなく、自分たちの良さを出して欲しい。ただそれだけを思っています。
――開幕戦は連敗スタートでした。序盤に苦戦した理由は?
成田:リーグ戦という長丁番の中で少しずつチーム力を上げていくイメージを持って取り組んでいました。
「チームは徐々に上がっていくよ」「やりながら成長していくよ」と当初から言っていたので、2連敗からスタートしましたが、特に「困った」とは思いませんでしたね。
経験を重ねていく中で試合運びであったりとか、連戦時にどうやって自分の体を作っていくかとか、そういうものが経験としてどんどん積み上がっていきます。アルテミスはまさにその最中なんです。
選手たちにも「今はまだ発展途上だよ」と。「だから勝ち負けに一喜一憂しないように」と伝えています。
チームはその積み重ねをやりながら結果的に優勝を争える位置にいるわけで、それはすごく嬉しいことだと感じています。
私が想定した以上に選手たちは自立を始めています。試合の運び方であったり、勝負に対する気持ちの持って行き方、チームワークが本当に良くなってきたなという印象です。
――小室選手に。明日の大一番に対してはどのような気持ちで向き合いたい?
小室:明日を迎えるのがすごく楽しみなんです。プレッシャーもかかると思うのですけれども、試合を楽しむことができたら…絶対にこのチームなら勝てるっていう自信もあります。早く明日の試合をやりたい気持ちで一杯です。
――応援してくれるファンがたくさんいます。ファンにはどう応えたい?
小室:試合をするたびに応援してくださる方が増えている、そのことをすごく実感しています。コートの中で自分らしいプレー、アルテミスらしいプレーをして恩返しをしていきたいと思っています。
――奥山選手に。セッターとして明日はどうチームをコントロールしたい?
奥山:私もすごくワクワクしています。最初は2連敗から始まって、そこから試合を重ねていくごとにチームの雰囲気とか戦い方とか、戦う姿勢とか、意識の高さもどんどん強くなっています。
だから「今の自分たちができることを自信をもって出し切る」そういうことを考えています。
セッターとして組み立てを頭に入れつつも、やっぱり最後は気持ちを込めてアタッカーに託す、そのことが本当に大切だと思っています。
倉敷さんは力のある相手です。競った場面で気持ちを込めてプレーすることを一番にやりたいと思っています。
――奥山選手はV1経験者です。アルテミスでV3を1年経験してどういうことを感じている?
奥山:NECはV1のチームですし、環境も整っていて、バレーに集中できる環境がありました。
アルテミスは3年前にできたチームです。イクさん(成田監督)を中心に選手たちで…本当にみんなで作ってきたチームです。試行錯誤しながら、Vリーグ参入を決めて、優勝を争えるところまで来ました。
イチから作り上げたチームがここまで育ったことに、なんか「じーん」ときちゃいますね。
アルテミスは本当に良いチームだと思っています。
だから…ちょっと矛盾した言い方になっちゃいますけれども、良いチームだからこそ、そこで終わるのではなくて、結果を残せるようにやっていきたいと思っています。
――アルテミスはブロック力がありますね。今日も井澤選手が6本、真田選手が7本。それぞれ今日のブロックの手ごたえは?
井澤:自分の武器はブロックだと思っています。今日は少し当たってはいましたが、それでも攻撃的なブロックができていないと感じました。まだまだ課題があります。
――この数字でもまだ足りない?
井澤:まだまだ行きます!ブロックにはかなり時間を割いて練習しています。コーチがすごく熱心に、毎回つきっきりで教えてくれています。
一同:天音にコミットしてますね(笑)
井澤:そのおかげで成長しました (笑) でも、まだまだできます!
――ブロックに関して真田選手は?
真田:今日はすごく手応えがありました。ブロックでしっかり得点を決めなければとずっと思っていたのですが、なかなか上手くいかない部分もあって…
ずっと平日練習で取り組んできたことだったので、今日しっかりと結果が出せたのは良かったと思っています。
――真田選手はスパイクフォームがダイナミックで、なんと言いますか「映える」プレーヤーですね。攻撃に関しては?
真田:ポジション的にも点数をしっかりと取らなきゃいけない、というか取るべきポジションだと思っています。
今日はブロックも含めて得点を重ねることができました。
チームも粘ってボールをつないでくれたので、その思いをしっかり点数に繋げられたのは良かったと思います。
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