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会見・コメント

2026-04-21 16:02 追加

NECレッドロケッツ川崎・佐藤淑乃「このメンバーとバレーボールができて本当に良かった」 SV女子SF

NEC川崎・佐藤淑乃 会見コメント

SV女子

佳境を迎えたバレーボールSVリーグ。
今季レギュラーシーズン首位のNECレッドロケッツ川崎は、優勝を目指してチャンピオンシップに臨んだが、ホームのとどろきアリーナで開催されたセミファイナルで宿敵・大阪マーヴェラスに敗れ、その夢は儚くも潰えることになった。
また、それは若きエース、佐藤淑乃にとって一つの区切りを意味する試合でもあった。

GAME2、最後のシーンを振り返りたい。

マッチポイントを握り、大手をかけた大阪MV。
からくも攻撃をかわしたNEC川崎は後がない状況で、佐藤淑乃にサーブを託す。
スコアは15-24。

「絶対、自分が点数を取るんだという気持ちでサーブを打ちました」
試合後の記者会見で佐藤はこの時の心境を述懐した。

やはり特別な1本だったのだろう。
普段、サーブルーチンの中で目線を切らない佐藤が、エンド方向にゆっくり歩みながら瞳を閉じて、深呼吸をしながらボールを宙に放ったのが印象的だった。

精神を研ぎ澄まし、心の静寂と共に放ったサーブは相手コートに鋭く襲いかかったが、対する大阪MVのディフェンスも強固だった。

佐藤の渾身のサーブを大阪MVの守護神・西崎愛菜が全身を投げ出しながら弾き返す。東美奈がきっちり手元に収めた2本目をライトサイドにセット。
オポジット、リセ・ファンヘッケがクロスにスパイクを放ち、ボールが佐藤の右を通り抜けていった。

佐藤はコートに膝をついた状態で懸命に手を伸ばしていた。瞬間、届かないとわかっただろう。それでも懸命に、最後の最後までボールに食らいつこうとした。

今季限りでNEC川崎を退団し、海外移籍をする佐藤淑乃のSVリーグでのプレーが終わった瞬間だった。

ゆっくりと身を起こした佐藤は、徐々に込み上げてくる感情にあらがうことなく身を委ね、ベンチで涙し、場内一周のセレモニーで会場を赤く染めたクルーとの別れを惜しんでいた。

しばらくして、記者会見が開かれた。
佐藤は気持ちを切り替えたのか、穏やかな表情で席に着いていた。
佐藤はおそらくは今季、最も記者会見に呼ばれたプレーヤーの一人だろう。その負荷は数字で表されることはないが、間違いなく選手としての大きな貢献である。

「やっぱり日本一を目指してやってきたので、ここで負けてしまったことはすごく悔しいです。その悔しさを持って終わってしまったのですけれども、この2日間はあらためてNEC川崎のメンバーとバレーボールができて本当に良かったと思いながらプレーしていました。
試合をやりながらもそうでしたし、チャンピオンシップの期間をみんなと一緒に過ごす中で、その気持ちをすごく感じて、もっともっと長くやりたかったなと、今、そういう気持ちがあります」

会見の冒頭、佐藤は試合を振り返ってそう話した。
登壇した選手が一通り感想を述べた後、質疑応答に入る。
気の毒とも思ったが、やはり聞いておかねばならなかった。プレーが終わった最後の瞬間、何を思ったのか。

「正直、その瞬間は実感がありませんでした。これでSVリーグが終わって日本一を取るチャンスがなくなったのですけれども、負けた瞬間にはそのことが頭によぎらなかったです。試合が終わって少したってから感情が後から込み上げてきた、そんな感じでした」

NEC川崎での経験は彼女にとってどのような意味を持ったのだろうか。

「プレーだったり、筋力、体力面では本当に大学生の頃に比べたらすごく成長したなと思います。メンタル面だったり、チームから求められているものがたくさんあって、いろんな場面で、いろんな感情も経験させてもらいました。
それから一緒にコートに入っている選手、外国籍選手も含めてみんなから受ける影響がすごく大きかったと感じています。それはNEC川崎だったから得られたものもあるんじゃないかなと思っています。
自分が進路にNEC川崎を選んだのも、所属する選手を見て決めたという経緯があります。本当にNEC川崎を選んで良かったと思っています」

佐藤淑乃はこの2年間を愛おしむように微笑みながら会見の場を去った。
まずは海外で大きく羽ばたいてほしい。そしてまたいつの日か私たちの前に戻ってきてほしい。4月19日はそう心から思わせる選手の旅立ちの日となった。

撮影 堀江丈

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