2026-09-10 20:19 追加
日本男子B代表 ブラジルのクラブチーム、スザーノと対戦。高橋慶帆「気温の違いや時差が大変だったが、振り返っていい合宿だった」【現地取材】
男子日本B代表 ブラジル遠征 親善試合スザーノ戦の結果とコメント
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アジア競技大会(名古屋で男子は9月27日から)に向け、また若手の強化に南米のアルゼンチンとブラジル遠征を行ったバレーボール男子B代表。アルゼンチンA代表に2敗(各1-3)、昨季アルゼンチンリーグ優勝のクラブチームUPCN Voleyに2勝(4セットで4-0と、3-2)とし、昨季ブラジルリーグ5位のクラブチーム、スザーノ・ヴォレイ(以下スザーノ)と対戦した。
スザーノは昨季、全日本の永野健コーチがアシスタントコーチを務めたチームだ。今季は監督も含め半数以上のメンバーが変わり、10月末開幕のスーパーリーグに向け、チームの状態を上げている段階だ。日本B代表との親善試合が発表されると、数時間でチケットが無くなるほど注目を集めた。この日は、チケット代金の代わりに食料品1キロ持参となっており、集まった品は地元の福祉協会に寄付される。スザーノ市には日系人も多く、試合前のアップ時やセット間には、文化協会の和太鼓チームの演技も披露された。
20点以降の点の取り方が鍵

6500席は満席で立ち見も出た。試合中ずっと、サンバのリズムで太鼓を打ち鳴らす応援団。 広報写真/Suzano Volei
スタメン:OH新井雄大、後藤陸翔、OP西山大翔、MB伊藤吏玖、稲垣陽斗、S下川諒、L高橋和幸
ベンチメンバー:OH一ノ瀬漣、OPマサジェディ翔蓮、高橋慶帆、L磯脇侑真
(遠征メンバーの内、OH川野琢磨、MB麻野堅斗、S三宅綜大は、この日は欠場)
第1セット、日本はレセプションが乱れるが高橋の2段トスから切り返し、相手の強打を下川が上げ、新井が決め3-1とする。新井のパイプで4-3。日本はサーブで崩すも、相手も立て直して攻撃を決め5-8とリードされる。伊藤のブロック、スパイクで10-12とついていく。西山のスパイクなど日本も攻めるが、スザーノも良い守備をみせる。スザーノのブロック2本で13―18と離される。相手OPのスパイクやサービスエース、ブロックと20点を過ぎてから得点を取られ、18-24と開く。ここから相手のミスと後藤がブロックアウトを取り20点にのせるが、最後はネット際でつなぐもトスが離れ、ブロックにつかまり20-25で1セット落とす。
第2セット:西山のブロック、後藤や西山のスパイクで6-6。スザーノの攻撃で離されるも、ラリーの後、日本は3枚ブロックで8-10とついていく。伊藤がコート後方まで追ってボールをつなぎ、後藤が決めて10-11と詰め寄る。スザーノは強打にフェイントを混ぜ揺さぶりをかけるが、日本は全員で拾ってつなぎ、西山が2本決め14-14と追いつく。この後は、離され追いつきの展開になるが、スザーノはOPを中心に攻め、日本のレセプションが乱れればダイレクトや3枚ブロックをつけてくるなど、チャンスを逃さない。後藤、西山が決め21-20と日本が前に出る。しかし、この後、日本のスパイクが2本アウトになるなど、マッチポイントを握られ、西山がブロックされ、22-25でセットカウント0-2となる。
第3セット:互いのサービスミスで点が行ったり来たりするが、新井や稲垣が決め9-8とする。交代で入った一ノ瀬がスパイク、ディグと流れを引き寄せるが、スザーノのブロックやミドルの早い攻撃も冴える。日本はタイムアウトの後、西山、伊藤のスパイク、ブロックで19-19。20点を過ぎてから、稲垣のクイック、日本は崩されてもL高橋が何度も2段トスを上げ、西山が決め、新井のブロックも出て、連続得点で23-21とリードする。代わって入ったOP高橋の懸命のレシーブのつなぎなども出るが、スザーノのブロック、OPのスパイクで24-24と並ばれ、日本ももう一度セットポイントを取るが、この日一番当たっていた相手OPのスパイク、ブロック、スパイクと押し切られ、25-27で、セットカウント0-3で敗戦となった。
第4セット:両チーム合意の上、もう1セット追加となった。
相手に3枚付いた後、上がったボールを押し合い、OP高橋のカバーから一ノ瀬が決め、4-3とリードする。新井が後ろから、一ノ瀬のサービスエース、OP高橋がゆるく落とすなど9-6とリードを保つ。相手のミスも重なり15-11とリードを広げる。新井が前へフェイント、後ろコーナー奥へ押し込むなど変化をつけ18-15。1点差に詰め寄られても、新井が落ち着いてブロックアウトを取り20-18。OP高橋が左隅に打てば、稲垣は右奥へと相手リベロを動かし、相手の守備を崩す。レシーブに入った磯脇が上げるも、スザーノのスパイクで23-22まで追い上げられるが、新井のフェイントでセットポイント。マサジェディのサーブで崩し、スザーノのスパイクがアウトで25-22、日本が1セット取りかえし1-3で試合終了となった。
スザーノ戦や南米遠征の感想を聞いてみた

両チームの集合写真。左から2人目がタンベイロ監督、隣り真保監督、手前が永野コーチ。 広報写真/Suzano Volei
真保綱一郎B代表監督:今日のスザーノ戦は、終盤までいい試合ができましたが、終盤で数点取り切れないという、精度が低かったかなと思います。でもアルゼンチン・ブラジルと素晴らしい経験でした。なかなかメンバーが揃わない中で、17歳だったり大学生だったり若い選手がコートに立ちましたが、年上のメンバーが足りない部分をしっかりカバーしていいチームになったと思います。上のメンバーはこれからアジア大会の金メダルに向けて頑張ること、学生はそれぞれ自分のチームに戻りますが、この経験をもとに来年に向けていい準備をして欲しいと思います。
永野健コーチ:若い子たちを成長させないといけないし、アジア大会のメンバーもレベルを上げていかないといけない中で、難しい場面もありましたが、選手たちは本当に一生懸命やっていたと思います。特に若手が、アジア大会組に負けていられないという気持ちを持ってやってくれて、いい練習ができました。昨シーズン、スザーノで過ごしたことは、日本では得られない様々な経験を積むことができました。

試合後、観客と記念撮影に応じるOP高橋選手。 広報写真/Suzano Volei
OH新井雄大選手(キャプテン):初めての地で疲れもありましたが、その中でも目標を持っていい練習ができたと思います。南米のクラブチームとは、フィジカルな部分でまだ日本人が勝てない部分を感じました。
OP高橋慶帆選手:気温が全然違ったので、そこが大変でした。時差もありましたし。でも振り返っていい合宿だったと思います。会場の雰囲気も違って、アウェー感はあったんですけど、楽しくできたかなと思います。(注:日本とアルゼンチン・ブラジルは時差が12時間。現在は冬で、アルゼンチンで試合があったサンフアン市は山間部、ブラジルのスザーノ市の試合当日は、雨風強く10度まで冷え込んだ。)
S下川諒選手:今日のスザーノ戦は、最初は高さに対処できなくても、徐々に自分たちのいいプレーが出始めたんですけど、終盤で自分たちのやりたいことができなかったと思います。常に応援の音や声が聞こえて、すごくて、コートの中で互いに聞こえなかったりして、ちょっとやりづらい部分もありました。

高いブロックを破り打ちまくったOP西山選手。 広報写真/Suzano Volei
OP西山大翔選手:違う環境で、日本とは逆の環境だったんで、個人的にはやりにくさがありましたが、いい経験になりました。高いブロックでも抜いていけるという点は、自分の中で自信になりました。これは日本に帰っても続けていきたいと思います。

海外の高さに臆せず、周りの先輩に囲まれてものびのびとプレーした一ノ瀬選手。 広報写真/Suzano Volei
OH一ノ瀬漣選手:自分の通用する部分としなかった部分がはっきりわかりました。これから何が必要かというのがわかった2週間だったと思います。サーブレシーブの部分でもっと安定させていくというのを追及して、ブロックの高さが今までと全然違ったので、自分なりの工夫が大切になっていくと思いました。
スザーノから見た日本は
ネリー・タンベイロ監督:結果だけ見れば、3-0(追加1セットで3―1)ですが、どちらも競った部分がいくつもありました。長い遠征の後で、疲れもあったのかもしれませんので、今日の試合だけで彼らを判断することはできません。とてもいい守備や攻撃を見せてくれました。しかしセットを取ることにつながらなかったのは、経験の差ではないでしょうか。彼らがこの先もっと経験を積み、どう成熟していくか楽しみですね。スザーノ市で国際試合をやることは滅多にないと思うので、選手にも観客にとっても貴重な機会で、素晴らしい日になりました。
取材・文:唐木田真里子
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