2016-08-28 10:46 追加
リオ五輪レポ・セルジオ「レゼンデ監督のあとは継がない」
リオ五輪観戦記
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優勝候補の中国とフランスが初戦で敗れる波乱の幕開けで始まったリオ五輪。女子は中国、男子はブラジルが王者奪回を果たした。いくつかの試合のピックアップと選手のコメントを紹介して振り返りたい。
■まずは観客もウォーミングアップ
各競技でイメージカラーが緑、青、オレンジとわかれ、バレーボール会場はオレンジ色でとても明るい雰囲気だった。試合開始前にバレーボール、ビーチバレー、リオデジャネイロの映像が流れ、バックに流れるタンボール(ブラジルの太鼓)のリズムが映像とマッチして素晴らしい出来栄えで、観客の期待も高まってくる。そしてDJの指導のもと応援の振付け練習に入る。「モンスターブロック(すごいブロック)の時は、両手をあげて上下に振って、スーパースパイク(すごいスパイク)は下から上に」という具合。ポルトガル語と英語の男女4人のDJの息がぴったりで、華やかに会場を盛り上げた。観客へのインタビューや2010年サッカーW杯の公式ソング、Wavin’ Flagに合わせて持参した旗を振るフラッグタイムでは試合中の国の旗、ブラジル国旗、地元の州旗、お気に入りのサッカーチームの旗などが入り乱れ、こどもも大人も参加できる楽しい試合前、セット間のショータイムとなった。
■準々決勝の注目は男女ともブラジル戦
女子は強豪揃いのB組が優勢に勝ち抜き、優勝候補と言われながらまさかの4位通過の中国と3連覇を狙うブラジル戦に注目が集まった。あっさりとブラジルが1セットを取りこのまま行けると思われた。しかし、2セット以降は中国のサーブが走り始め、ブラジルが得意のMBからの攻撃で切り返せない。そこからあせりが出たのか、レシーブ、スパイクにもミスが出始め、ブラジルらしさが出せないまま敗戦となった。試合後、キャプテンMBファビアーナ・クラウジノ、OPシェイラ・カストロ、WSジャケリーネ・エンドレスが代表チームからの引退を表明した。
【ブラジル、ファビアーナ・クラウジノのコメント】
「地元での優勝の夢が破れ言葉もありません。毎試合、たくさんの応援を受け本当に幸せでした。楽しい時もつらい時もそばで支えてくれた監督、スタッフ、チームメイト、みんな家族のようでした。感謝の気持ちでいっぱいです。」
男子もブラジル戦以外はあっさりとした結果となった。A組で台風の目となったカナダもロシアの前に敗れ、イランは2セット目途中までは1点を追う一進一退の展開でイタリアについていくも、中盤から集中力を欠きミスが続き敗退。アメリカはサーブをジャンピングフローターでピンポイントで狙いに行く。ポーランドはレセプションが遅くなる分攻撃のリズムがつかめないのか、チーム全体に覇気がなく、アメリカのスパイカーに押し切られてしまう形となった。女子が敗退した分もプレッシャーのかかるブラジルは永遠のライバル、隣国のアルゼンチンとの対戦。力ではアルゼンチンが上と予想されていたが、1セット目にエース、ファクンド・コンテがチームメイトの足を踏み、ねん挫。すると今度はブラジルのエース、ルカレリ・デ・ソウザが太ももを痛め、両エースを欠く展開となる。代わりに入ったブラジルのマウリシオ・ボージェスが危機をふんばり、わずかな差の中でブロックでタッチを取り切り返しにもっていけたブラジルに軍配があがった。
■男子準決勝
ブラジル対ロシア。ロンドン五輪の決勝でブラジルが2-0とリードしながら、ロシアが2-3と大逆転の優勝を果たした。なんとしても借りを返し、決勝進出を果たしたいブラジル。準々決勝でのWSルカレリ・デ・ソウザとルイス・フェリペ・フォンテーレスのけがが心配されたが、元気にコートに姿をあらわした。集中力の高かったブラジルが今年一番といえる良い試合で3-0で圧勝した。要所でいぶし銀MBマウリシオ・ソウザのブロックが決まり、点が入るとチームメイトを抱きしめ耳元でささやく姿に「私もささやかれたい!」とツイッターで萌えるファンが続出(俺にも、と男性ファンからも!)。
【ブラジル、マウリシオ・ソウザのコメント】
「試合中、何をささやいていたかって? いやー、よく覚えていません。いいぞとか落ち着けとか自分に言い聞かせていたんだと思います。こちらのサーブで押して、うまくプレッシャーをかけ、ミスを誘えたと思います。もっとアグレッシブに決勝も戦います。」
もう一方の準決勝イタリア対アメリカ。ここはローマか? と思うようなイタリアチームへの大声援になった。なぜか五輪を通して男女ともアメリカへは大ブーイングだったが、それは相手の実力をブラジル人が認めている証拠でもある。第1セットアメリカが23-19とリードしていながら取れなかったのが最後まで悔やまれ、イタリアが3-2で決勝へコマを進めた。
■女子決勝、3位決定戦
昨年、監督が交代してから大躍進を遂げたオランダだったが、ブロックと大事な場面で経験の差が出てアメリカが銅メダルを勝ち取った。
【アメリカ、キンバリー・ヒルのコメント】
「準決勝で負けた後に切り替えが大変でした。まだ終わってない、最後まであきらめちゃだめだって。世界はとてもわずかな差の戦いになっています。ですから、銅メダルでもここまでのチームの努力を誇りに思います。友人から日本のリーグの話は聞いています。私のプレースタイルとは少し違うかもしれませんが、将来は日本に行く機会があるかもしれませんね。」
【アメリカ、コートニー・トンプソンのコメント】
「1年間クラブチームでプレーしたリオに戻って嬉しいです。なぜかアメリカにブーイングが多かったけれど、私には声をかけてくれるブラジル人もいて嬉しかったです。日本は全体に勢いがなくて、MBの攻撃が少なくブロックの的が絞りやすかったと思います。準々決勝の3セット目の終盤でサオリのスパイクはすごかったです。ここでサオリにのまれて引いてはだめって、みんなで気持ちを引き締めました。」
決勝は中国対セルビア。技とスピードの中国か高さのセルビアか。第1セットはセルビアの高いサーブとスパイクで中国に隙を与えないスタートだった。しかし、2セット以降は中国のサーブがさえ、セルビアのWSブランキカ・ミハイロビッチとOPティワナ・ボスコビッチに疲れがみえ、ブロックにつかまりだしベンチに下がるのとは逆に、中国はエース、ズー・チンが最後まで力を落とさず、3-1で勝利した。ラン・ピンはロス五輪で選手として、そしてリオでは監督として優勝を果たした。
【セルビア、ブランキカ・ミハイロビッチのコメント】
「最後に負けたのは本当に悔しいですが、銀メダルとチームを誇りに思います。リオのチームで1年過ごしたので、ファンの応援にも感謝したいです。次の東京では男子と一緒に金メダルを取りたいです。オブリガーダ、リオ!(ありがとう、リオデジャネイロ)」
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