2016-09-10 18:40 追加
カーテンコール 益子直美さん
元全日本の益子直美さんインタビュー
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昨年、淑徳大学女子バレー部の監督に就任した益子直美さん。指導経験は引退後、イトーヨーカドーでアシスタントコーチを務めて以来という。退社後は20数年間、スポーツキャスターなどで活躍してきた彼女が今回、監督という形で現場に携わることになったのはなぜなのか? お話を伺った。
自主性を重視しつつ、モチベーションアップ
――監督就任の経緯を教えてください。
益子:依頼が来たのは昨年5月のことでした。まさか、こんなに長く現場を離れている私に?と耳を疑いました。最初は私の現役時代とはバレーボールという競技そのものも、ルールも違いますから、断るつもりでした。仕事もありますし、家業(ご主人の山本雅道さんと営む)の自転車屋もありますし、主婦でもあるし(笑) 時間もないし、何よりも時代が違うので、私が教えられることはないんじゃないかと。断るつもりでしたが、会わずに断るのは失礼なので、お会いして、断る前に「なぜ私なのか」というのをきいてみたかったので、伺いました。そしたら、以前、淑徳大学で講演をした時に学長さんと、バレーの指導もされている広報の奥村さんが聴いていたらしいんですね。その時のテーマが挫折に関することが多くて…。私は現役時代に成功者でも何でもなく、三流の選手で終わってしまったと。そういう話をしたら、この大学は学校の先生などの福祉、教育、看護など、人の上に立つ仕事を目指す学生が多いから、バレーボールだけではなく、人間性とか、そういう部分を教えてほしいとおっしゃっていただいて。それがすごく嬉しかったんです。それと、監督に就任したら、チームを1部リーグに上げなければならないといったことは一切ありませんと。やはり、バレーボールというスポーツを通して、人間性とか、性格とか、常識とか、礼儀とか、そのようなことを教えてもらいたいというふうに言っていただいて、それだったらと思い、その場ではお断りせずに「一度練習を見せてください」とお願いして、見学させていただきました。
――実際に選手たちを見て、思ったことは?
益子:バレーをちゃんとやってきた子もいますけど、大学から始めた子もいるし、いろんなメンバーがいて、いきなり強化指定部活になるということで、選手たちがいちばん戸惑っていたと思うんです。楽しく和気あいあいとやっていた部活が、いきなり大学の都合で強化指定部になるというので。でも、みんなすごく一生懸命で、明るくて無邪気でいい子たちばっかりだったんです。これだったら、私がまだ教えられるところがあるかな?と。きっとすごく伸びるんじゃないかと思いました。
――現在、チームはどのくらいの位置にいるのですか?
益子:6部リーグです。みんなバイトもしてるし、練習も毎日ではなく、週に3、4回だったり…。
――今後は監督業とこれまでのお仕事を両立させていくのでしょうか?
益子:そうです。事務所の方とも相談して、スケジュールを調整しつつ、やっていこうと思います。学生たちも本業は勉強ですから、勉強を削ってまで練習に参加しろとは言わない方針です。親のすねをかじらずにバイトを頑張って、自分で生活費を稼いでいる子もいるので、練習時間もそれを圧迫しないように設定し、できる範囲で無理をさせないようにやっていこうと思っています。私が経験した高校バレーは厳しく管理された中でやっていましたが、大学生は自主性重視ではないかと。個人で目標を決めさせて、それに向かって頑張らせるようにしています。例えば、定期的に体力測定をして、自分の弱い部分を知り、そこを強化していく。例えば、ジャンプ力がないから、そこを伸ばすとか。練習がない日はロードワークを自主的にするなど、モチベーションを持ってやってくれています。私がいない日も頑張って、体力面での底上げなど、強化に取り組んでくれています。私は自分が不在の時もスマホのアプリを活用して、選手たちがどのくらいロードワークに取り組んだのかなどを把握するようにしています。
――就任から見てきて、選手たちが変化した部分はありますか?
益子:最初は練習に出てこない子もいたんですけど、「無断で休まずに理由をちゃんと述べてください」と言いました。大学の実習等であれば正当な理由ですから。そしたら、1年目の暮れくらいにはちゃんと出てくるようになりました。練習すればするだけ、みんな上達していくのがわかります。
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