阿部裕太選手インタビュー

東レからサントリーに移籍した阿部裕太選手にお話を伺った。

この夏、長らく在籍した東レアローズから、心機一転サントリーサンバーズに移籍した阿部裕太選手にお話を伺った。サンバーズを選んだ理由や、手応え、今後の目標など。

まず、入社から東レでずっとプレイしてこられて、サンバーズに新天地を求めたのはなぜだったのでしょうか。

正直、まず新しいチームでもう一つ成長したいというところがあったんです。絶対サントリーっていうわけでもなかったんですけど、僕は好き嫌いでチームを選んだりはしないので、東レは好きだったけど、情でそこにずっといるというのは自分の成長にとってどうなのかなと。何でサントリーかっていうと、縁があったんですね。

自分を高めるに際してふさわしいという感じ？

これからのチームだというのは感じてました。若い選手も多く、これから強くなっていくチームだろうなと決めたときには思いました。

全日本の司令塔を長らく務めてきた阿部さんですが、ＯＱＴでは残念ながらメンバーから外れてしまいました。

僕としても、久しぶりに、と言ったら変ですけど、本当に久しぶりに目標が出来た大会だったので、外れてしまったのはとても残念でした。それまでの数々の大会は、やっぱり自分のステップアップのためだとずっとやってきて。
オリンピックは、僕はまだ出たことがなかったんで、まず出たいなという気持ちがありました。あんまりメンバーから外れてとか、試合に負けてとかで落ち込むことはないんですけど、ＯＱＴの時はさすがにショックでした。今までが成長の段階ということでやってきたんで、今回も成長の一過程なんだというように、切替は早かったですね。

どういう風に切り替えたんですか？

何をしたとかじゃないですね、外れて、落ち込んでボールが手につかないとか、練習したくないとかそういうことはなかったです。そこでもう一踏ん張り上に上がるには、止まってられないという気持ちの方が強かったです。

ＯＱＴはご覧になってました？

はい、見てました。

やっぱり悔しかったのではないですか。

うーん、やっぱり入れなかったのは悔しかったですけど、ずーっと一緒にやってきた仲間だったんで、勝ってほしかったですね。ただ、大会序盤の試合内容があんまりよくなかったので、厳しいのかなと思いながら見てました。最後は、他力しかなかったので、ラストの試合はかわいそうでした。

ちなみにオリンピックはご覧になってましたか。

男子決勝半分くらいと、準決勝を見ましたね。

決勝はすごい試合でしたよね。

ロシアがポジションを変えてきたりしてたので、「アレをやられちゃきついよな」と思って見てました。

まさかあそこからブラジルが負けるとは思いませんでした。

でも、どっちにしてもレベルが高いので、セッターのことだけじゃなくて、すごく勉強になりましたね。

女子が28年ぶりにメダルを獲りましたが、よい刺激は受けました？

女子がメダルを獲ったからとかは、気にしてないです。

入る前と後で、サンバーズのイメージは変わりました？

いや、入る前も、若い選手が多いし、元気がいいチームなんだろうなと思ってましたけど、入ってみてもその通りでした。

チームの中で自分が果たしていく役割は？

やっぱりセッターなんで、サイドアウトとかそういう率を上げないといけないなと考えていて。去年のサンバーズの成績を見ると、アタック決定率が45いくかいかないかくらいなんですよ。それだと、よっぽど他のプレイで全部1位を獲るくらいじゃないと優勝は難しいと思うんです。だから、目標は50％にできるだけ近づけること、できれば50％を超えること。
いきなりは難しいと思うんで、いかに50に近づけて、ミスを減らし、効果率を上げていけるかだと。そこはもうほんとに、コンビネーションの部分が占めると思うんで、そこで自分の役割をしっかりと果たしていきたいと思います。

今のチームに入られてどれくらいになります？

2ヶ月くらいになりますね。

手応えはどんな感じですか。

思ったより手応えはありますが、もうちょっと個人個人のレベルが上がっていかないと、とは思います。今から試合が始まるまでには、もう少し上げていかないといけないですね。でも今の段階では、結構手応えはあります。

ご自身だけの問題じゃないかも知れないんですが、まだまだ全日本で頑張ってほしいと思っているファンはたくさんいると思いますが。

気持ちとしては、前回はずれたからといってもう行きたくないという気持ちはないです。それがいいチャレンジの場であれば、また行きたいですね。まあでも、スタッフ含め、選手含め、上手く言えないんですけど、本当に自分がそこに行って成長できるかというので、自分は結構計っています。もちろん、自分だけの思惑で何とかなるわけではないんですけど。