2018-09-28 12:18 追加
中田久美監督「1次ラウンドは何としてでも1位通過で!」 世界選手権直前記者会見囲み取材コメント
中田久美監督囲み取材コメント
全日本代表 女子
9月25日の世界選手権直前記者会見で行われた中田久美監督の囲み取材コメントをお届けする。
――選手の皆さんの成長をどう感じていますか?
中田:今日の記者会見のコメントを聞いて、自分の言葉でしっかりと話せるようになったことがすごく嬉しいと感じました。プレッシャーの中でどのように力を発揮させてあげることができるのか? それが自分自身への挑戦でもあると思っています。
―― 岩坂(名奈)選手がアジア大会後から、先週たちがそれぞれ目標を決めて貼りだしてやっていくようになったと話していました。選手たちがそのような取り組みをするようになった変化について、監督はどう感じていますか?
中田: 「責任を持つ」ということに関して、他人ごとではなく自分のこととして自立してもらいたい。そのためにできることを考えたらいいのではないかという提案をしました。その結果、選手たちがこうした取り組みを自分たちでしてくれるようになり、嬉しく思っています。
――選手たちが自立して取り組む場面は、例えば1年目より2年目というように目に見えて増えてきていますか?
中田:もちろん下手にはなっていないですし、伸びしろという部分では人それぞれであったり、大会によって違ったりといろいろありますが、少しずつ「世界と戦うことってどういうことなのか」とか、「自分たちでどうしていかなければいけないのか」ということは、昨シーズンよりも勝ったり負けたりしている中で感じているというふうに思っています。
――アジア大会がうまくいかなかった要因はどのようなことで、それを現在どのように解消しようとしていますか?
中田:私の理想としてはやはりストロングヒッターは長岡(望悠)、古賀(紗理那)、黒後(愛)、石井(優希)で、彼女たちは「点取り屋」だと考えていて、世界に対して点数を取れる選手であってほしいと思っています。
戦いたい気持ちはあるのですが、パスが非常に不安定になる場面でアウトサイドのポジションにサーブレシーブの安定した選手が入ると、どうしても(攻撃の面では)小粒になってしまう。それが最大の弱点だというふうに考えています。
そのため、この世界選手権では長岡がオポジット1枚では非常に苦しいと想定し、新鍋(理沙)、あるいは黒後をオポに入れて3枚を基準として考えた時に、アウトサイドにパワーヒッターを2人置く時にはオポに新鍋などパスのできる選手を入れた方がいいと考えています。逆に、パスヒッター(サーブレシーブの安定した選手)を置くのであれば、 オポにストロングヒッターを入れる。そういうバランスを取っていかないと、世界選手権は難しいのかなと。なので、 3パターンくらいの起用方法を考えてチーム編成をしようと思っています。
ただ、ストロングヒッターを3つのポジションに入れたいというのが理想ではありますが、そんなに甘くはないので、状態あるいは相手によって対応し、東京オリンピック以降のことも考えて若手をうまく起用しながら経験を積ませて、結果を出せればいちばんベストかなと。
――監督の中でメダルを獲るまでの道筋はどのように考えていますか?
中田:ストロングヒッターが成長すること、そして、パスの安定が一番だと思います。あとはセッターの精度。ゲームマネジメント、組み立て方をもう少し詰めていかなければいけないと思うし、そういう意味での精度、クオリティ、正確性であったりとか、そこにスピードを加えてとか、そういうことを追究していくとどうしても時間が必要なのかなと。でも、時間はないので…(苦笑)、頑張ります。
――黒後選手はオポジットとしてやっていけそうな感覚がありますか?
中田:いけると思います。サーブレシーブをしなくて済み、打つことだけに専念できるので 、攻撃に集中させてあげられると思うし、アウトサイドに入れたとしても、 オポにサーブレシーブのできる選手が入っていれば、バックアタックを含めて参加させられるので。
―― 他のアウトサイドヒッターについてはどうですか?
中田:石井はいい時は本当にいい。ただ、彼女のミスの質がカバーできないものであることも…。黒後はAパスにはなかなか返せないけど、そんなに大きなミスはしないし、引きずらないタイプ。黒後にも積極的にパスをさせて戦う試合も作っていきたいと思いますし、 朝練、後練とサーブレシーブの練習をしていますので、実際の試合の中で試してみたいと考えています。
――黒後選手は、 自分でもパワーが売りと言っていますが、監督の目から見てどう思われますか?
中田:パワーだけでいったらチームナンバーワンだと思います。 長岡が最高にいい時よりもすごいと思います。ただ、パワーだけではこれからは難しいのかなと。 そんなに身長が高いわけでもないですし、高いブロックに対しての打ち方、角度の付け方などもこれからの課題になってくると思います。ただ体が強い。体脂肪もかなり絞り、ジャンプ力も 3mは軽く超えていると思うので、やっと何となくそれらしくなってきたかなと。
――コートに男性コーチを入れての練習は中田監督の現役時代にもよくやっていたと思いますが、監督になってからは最近始められたのでしょうか?
中田:6人ほとんど男性で2チーム作り、休みなくやったのはアジア大会後が初めてです。できる環境の中で最大限のことをやっていきたいと思っています。ただ、あくまで男性なので、ロシアやセルビアなどの選手が打ってくる球質やタイミングとは少し違います。だから、ただやればいいというものでもない。
ネーションズリーグであれだけの試合数をこなして、なおかつアメリカに行き、アメリカのナショナルチームの選手と練習マッチをして、高さという部分に対しては十分すぎるほどやってきているので、アジア大会後、ひとつの強化として男性パートナーとの練習という段階を踏みました。
――世界選手権は長丁場の戦いになりますが、それを戦い抜く中での鍵は何になると思いますか?
中田:すべてが鍵です。とりあえずは予選ラウンドを何としてでも1位で通過すること。2位でも3位でもいいなんてことは私は考えていないので。
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