2018-10-30 16:28 追加
勝利がスルリ JT悔しい逆転負けも新加入の中国代表・劉が活躍 新生V.LEAGUE開幕戦
V1男子開幕戦サントリーvsJT戦レポート
V1リーグ 男子
JTサンダーズはサントリーサンバーズとの開幕戦を逆転で落とした。10月26日、東京の大田区総合体育館で行われた。JTは新加入の中国代表・劉力賓が活躍し、今後への期待を感じさせた。一方、試合ではチャレンジシステムに不具合が発生し、JTがチャレンジを行えない場面もあるなど、“新生”Vリーグのはずが、出だしから水を差される形となった。
JTは第1セットは、ロシア代表のドミトリー・ムセルスキーのジャンプサーブで崩されて失ったが、すぐに立て直す。第1セット途中からスパイクが決まらなくなっていた山本将平を武智洸史にスイッチし、チームに安定感を持たせると、攻撃ではオーストラリア代表のトーマス・エドガー、そして新加入の中国代表・劉力賓がサントリーにプレッシャーをかけた。
特に劉は、ウィングスパイカーとして山本(武智)と対角を組むと、前衛では高い打点からスパイクを決めたり、ブロックではムセルスキーを2回連続で劉1枚で止めた。後衛からも力強いバックアタックを何度も決め、バックアタックの決定率は77・8%にも及び、サントリーも途中から、サーブで劉を狙っていた。
第2、3セットとJTが完全にリズムを掴んで取ると、第4セットも終盤までリードをした。しかし、ムセルスキーのスパイクで持っていかれると、第5セットはミスが続いて敗れてしまった。ただ、フルセットでの負けで、JTは1ポイントは得ることができた。
負けたが、JTは劉という新戦力が十分に中心選手としてやっていけることを確認できた。セッターの深津旭弘は「日本人選手と高さが全然違うので、レフトへ劉選手へのトスを上げる感覚をまだ掴みきれてないというのがあります。あそこの高さを上手くスピードのあるボールを持っていけたら」と中国からの新戦力に期待した。
フランスリーグのトゥルコアン・リール・メトロポールから移籍してきた23歳の劉は、9月の世界選手権にも出場している。北京汽車チームでプレーし、中国代表の江川と共に期待の選手と評されていたが、同じポジションに外国人選手が加入して、押し出される形でフランスに移籍し、今季はアジア枠のある日本でのプレーを選んだ。ヴコヴィッチ監督は開幕前、「自分のルートを使ってスカウトしてきたんだよ」とニヤリとしていた。劉は監督の慧眼が正しいことを開幕戦で証明してみせた。
試合後の会見で劉は、自分の出来について聞かれても「バレーボールはチームスポーツと思います。自分一人が活躍しても勝てない。そこはチーム皆とともに頑張っていきたい」と謙虚に語った。
今シーズン、ムセルスキーという世界的に有名な選手が日本でプレーするが、劉も十分見応えがあり楽しみな選手だ。
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