2019-07-02 12:01 追加
13年間日立を支えた遠井萌仁「若い選手たちが経験を積み、波を少なくしていけたら」
遠井萌仁(元日立)インタビュー
SV女子
去る6月5日、日立リヴァーレは遠井萌仁選手の退部を発表した。
遠井選手は春日部共栄高校を卒業後、日立(当時は日立佐和)リヴァーレに入部。堅実なプレーでチームの中心選手として活躍した。
13年間の在籍期間中には現在のV2にあたるチャレンジリーグも経験。2010/11シーズンにはチャレンジリーグで敢闘賞を獲得。その後、主将も務めチームは2013/14シーズンにプレミアリーグ、現在のV1へ再昇格を果たした。
遠井選手は昇格後もチームの主軸であり続け、2017/18シーズンにはVリーグ通算230試合出場を達成し、Vリーグ栄誉賞を受賞。
今年度の黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会が現役最後の舞台となった。
日立リヴァーレは黒鷲旗準決勝で岡山シーガルズと対戦。
岡山もチームの支柱である山口舞選手がこの大会で現役を退くことを発表していた。
試合は第3セットを終了して2-1と岡山が先行。
ここで、日立、角田博文監督は一つの決断をする。
今シーズン、遠井には主にディフェンス面での働きが求められていた。具体的に言えば遠井と同じライトポジションの窪田美侑がレシーブで崩れたとき、コート内の立て直しをするのがその主たる役目であった。
だが岡山戦、第3セット途中から投入された遠井は前衛でより機能していた。ブロック、アタックに冴えを見せ、岡山は遠井のフロントでの動きに対応ができない。
ここを勝敗のポイントと見て取った角田監督は第4セットに遠井をスタートから起用。これが奏功し、第4、第5セットを連取した日立リヴァーレがフルセットで勝利を収めた。
試合後の記者会見場ではメディアから、今日は遠井選手が勝たせた試合だったように思える、との声もあがった。キャリアを通じて遠井選手をどのように評価しているか、との不躾な質問に角田監督はやや苦笑しながら
「サーブレシーブは安定しているし、強みとしてブロックがあるので本当に助かってますよ」
と答えた。
翌日、チームは決勝を東レアローズと戦ったが、準優勝で大会を終えた。
遠井選手には黒鷲旗の初日にお話を伺っている。引退を前提としたものではなく当日の試合、および今シーズンを振り返っての内容であるが、この機会にご紹介させていただきたい。
(取材日5月1日)
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