2021-03-23 20:47 追加
柳田将洋「ファンを取り合うのではなく、競技同士で手を取り合って新しい価値を見出していく」Vリーグ×Bリーグコラボ サントリー会見
SV男子
●山村監督
今日の試合、勝てば1位通過が確定するっていうところで、スタートはかなりプレッシャーを感じていた選手もいる中で硬さが見えたんですが、ローテーションを重ねるごとに硬さも取れてきて、いつも通りのサンバーズのバレーボールを展開することができたかなと思います。
強いサーブからのトランジションと、高い返球率からの高いサイドアウト率というのは今のうちの強みだと思いますので、それを前面に出すことができて勝利をすることができた。最後のセットにはいろんな選手が途中からコートに入ってくれましたし、その各選手が活躍をしてくれたっていうのが、今季のサンバーズのひとつの形を表してるんじゃないか、という内容で勝つことができた。ですから、本当に1位通過も嬉しいですけれども、選手たちが自分たちがやるべきことを徹底してやってくれたということが嬉しいですし、それが結果に結びついて本当に満足しています。満足と言ったらまだまだ試合が続くのでおかしいですけど…今日の試合に関しては、本当に選手達よく頑張ったと褒めてあげたい気持ちでいっぱいです。
――ファイナルに向けて、一番身に付けていきたいところは。
山村:今コートに入ってる選手で、決勝の舞台とか大きい舞台を経験してる選手自体が少ないということが、一つの不安材料にあげられると思う。ムセルスキー選手だったり、国際大会を経験している柳田選手はそういう心配はあまりしてないんですけれども、大きい舞台を経験していない選手に関しては、今後の3試合を通してどういうストレスをかけながら決勝までの期間を準備していくか、明日からの試合ですね、どういうチャレンジができるのかを一つのミッションとして、決勝まで準備をしていきたいなと思っています。
その内容に関しては、1位通過ですのでファイナルが決まったということで、ゴールデンセットの可能性も踏まえて、1セット、そういう状況を作ることは不可能なんで、負けた後も1セットというところは作れないんですけれども、1セットを取りきるこの1セットとしかないよという形で、試合に臨んでいくとかそういうことができる立場になったので、そういうことは積極的にやっていきたいなと思っています。
――優勝を決めたということで、監督自身の哲学や考え方、このシーズン通してどうやって選手に浸透させていったか、心がけていたことは。
山村:監督1年目ということで、僕自身の信念がまだまだ固まっていない部分が確かにあって、僕自身成長しなければいけないと感じていますし、まだまだ自分にできることって何なんだろうかって探している工程だと思うんですけれども、その中で自分が大事にしてることは、選手と対話すること、先程あったように対話することを一番大事にしてきました。
僕はこの1年間で、選手に対して声を荒げて怒るようなことは一度もしてませんし、別にそれが良い悪いではなくて、自分がどうして欲しいかということを選手にどう話したら伝わるのかとか、選手自身がスイッチはどこにあるのかとか、やっぱり会話を重ねることでしか見えない部分ってたくさんあると思う。
特にキャプテンの大宅に関しては、彼の成長がなくして僕はこのチームが優勝できないということでこのチームをスタートさせていますので、たくさんの時間をかけて、たくさんの多くのことを話し合ってきたつもりです。何が信念なのかって言われたら、僕は選手全員を成長させてあげたいし、チームとしてこのチームが強いサンバーズであるために、必要なことを皆で話し合ってきましたし、今回掲げているスローガン「Play Hard」という言葉も選手たちが導き出した言葉であり、それを徹底するために、僕は普段の練習からやろうということを徹底して言ってきたつもりです。
なので、まだまだ僕自身が、その信念が何ですかと言われたら、これですという答えを言うことはできないんですが、僕の一つの信念としては選手に寄り添って選手たちが自分たちで答えを導き出せるように、話を誘導するじゃないですけど、話し合って自分から答えを出させてその答えに向かっていてそれが良かったのか悪かったのかを共に考えて、もし間違っていた時にはまた一緒に考えて軌道修正していく。もしかしたらものすごい時間がかかってしまう活動かもしれないんですけど、それが僕がこのチームでやっていきたい事。長い時間がかかってもいい、どんな選手でもきっと成長できるということを信じて、僕は寄り添っていく形の指導方針を取っていきたいですし、今後も選手たちを信じて、自分の可能性を信じてサンバーズの強化に携わっていきたいと思っています。
――サントリーにとって初めてのBリーグチームとの共催、監督はどのように感じているか。また大阪エヴェッサとの繋がりは。
山村:エヴェッサさんとの関係性に関して、僕自身は特に持てていないです。広報部だったり事務局がこういう企画を出してくれて、大阪のスポーツを盛り上げていこう、今日のエキシビジョンの高校生の試合もそうですけれども、大阪のトップアスリート、また高校ジュニア世代のトップチームが一堂に会して、こういう一つの体育館で他競技も含めて開催できたってのは、本当に今後のスポーツ界にとって有意義なことだと思いますし、今後どんどんこういう活動が増えていけば、お客様だったりファンをシェアしていけるような、共に手を差し伸べて共にスポーツを盛り上げていく関係性を作っていけたら。今バレーボールもどんどんホーム&アウェイという形を取っているので、地方の活性化だったりする事に協力できたらいいなと思ってます。今どの県もスポーツチームは存在していると思いますので、インドアの競技だけではなくて、いろんな形でこういうスポーツフェスティバルのようなイベントが開催できればいいと思います。
チープな言葉で申し訳ないですけど、こういう活動を増やしていくことで、スポーツの素晴らしさだったり家族層を狙った活動が展開できると思うので、スポーツの素晴らしさをどんどん、こういう状況だからこそスポーツの力で人に与えるものって僕は大きいものだと信じているので、夢や希望、感動、一つのことに熱中している人の姿だったり、そういうものを通じて日本を元気にできたらいいですし、本当に今いろんな災害だったり苦しんでる人たちもいらっしゃる中で、オリンピックもできるかどうか分からないそういう中で、こういう前向きなイベントができたことは、すごく価値があることだと思いますし、どんどん増えて欲しいと思っています。
――1位通過、21連勝がかかっているなど意識する試合だったと思うが、試合前に選手たちにかけた言葉は。
山村:あまり連勝に関しては気にしていなくて、選手たちの中で気にしてるのかどうかあまりわからないんですが、今日の試合前に関しては、自分たちのこの勝利をもぎ取るために、先ほどあった高校生達の試合を引き合いに出して、僕たちはそういうジュニア世代の憧れの存在でなければいけないと。僕たちがそのジュニア世代の憧れであるために、僕ら自身が一番バレーボールを楽しんでいなければいけないし、スポーツ、バレーボールの良さを一人一人が思う見せ方をしていかなければいけない、僕らはそういう立ち位置にいるんだという話をした。だから勝ち負けよりも、今日に関しては自分たちが憧れの存在であるということにプライドを持って、試合に臨んで行こうと。何よりも、バレーボールを楽しんで行こうという話はしました。
写真:火野千鶴
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