2021-04-06 09:59 追加
トヨタ車体・渡邊彩主将「この経験が無駄だったとは思わない」、大川愛海、周田夏紀、印東玄弥監督 V・チャレンジマッチ女子 会見コメント
SV女子
●印東玄弥監督
「1セットさえとれば決まる」という気持ちと戦うのは大変なんですけど、第2セット、第3セットはそこから相手に付け入るスキを与えてしまって辛勝になってしまいました。残留を決めて安堵はしていますが、これを財産にしてチームをどう強くしていくかということを考えさせられる1戦になりました。
――苦戦はしましたが、結果的にセットは与えませんでした。評価と課題は?
印東:8位の日立さんとは勝率が同じ。勝ち点は4点高かったのですが、セット率で0.02ポイント足りずに9位になってしまいました。昨シーズンは6試合フルセットがあって5試合勝ち。今年はフルセットの試合で勝ったのは1試合のみということにすべて象徴されています。
実力自体はNECさんとやって3-0で勝利するようなこともありましたが、(トータルで)勝てないことによって重圧がかかってきたりもします。もともとできていたことが精神状態によってはできなくなってくる。チームとしてそういった苦しさを受け止めて跳ね返すというエネルギーが毎回大きく求められました。
私たちはVCupがあり、そこで試合をするということで今日に備える戦いをしていたんですけど、以前のように空白の期間が長かったとしたならば今日の試合は…(もっと厳しかった)。(仮に)リーグ1位のチームが試合をしたとしても、降格がかかっていますとなった時には下から上がってこようとするチームと1戦交えて正常な力を出せるかどうか。そのくらい難しい重圧のかかる試合であったと思います。
本当はしたくない経験ですが、この経験をすることになってしまった以上、弱さとか至らなさというものを見つめたうえで1か月間、今日の試合に勝つために懸けてきました。
ネガティブな部分にも焦点を当てて解決しなくてはいけない。最後はチームで団結していなければ勝つことはできない。そこで難しかった部分も(クリアになって)一つになっていくというか。
いろんなドラマのようなことがリーグが終わって1か月、Vカップが終わって2週間続きました。我々にはV1の力があるんだ。勝てるんだと思いながらもやってみなければわからない。そういう試合を勝てたということ、チームの全員の精神力を心から称えたいと思っています。
私にとっても(優勝のためではなく)チームを残留させるために、いろんな知識を使うということは挑戦でありました。本当に難しい闘いの日々だったなと。
――コロナ禍は戦術の詰めなどに影響を及ぼしたのでしょうか?
印東:(苦戦の理由はコロナ禍ではなく)今シーズンの目指すところが外国籍選手の比重を減らすというところにありました。
トヨタ車体は歴代強力な外国籍選手を擁し、必要なところを移籍選手で補っていくというチームの形でした。今季は生え抜きの選手を使い、外国籍選手に依存しすぎないことに挑戦しようとして挑んだリーグでした。
内瀬戸(真実)選手と(オズソイ)ネリマン選手というのはトヨタ車体クインシーズにおいて大きい要素を占めていたということを知ってはいましたが、予想以上に苦難の道であるということを実感したシーズンになってしまいました。
――村永奈央選手がリベロでプレーをしていますが。
印東:村永はチームが3位になった時も、皇后杯で優勝した時も、決勝に行った時もスパイカーとして試合に出ています。軟骨の損傷で移植手術をして、リハビリをして、開幕には間に合わせたのですが…決定率が上がらない。
しかしながら、彼女は人間性の面で非常に優れていて、選手からの人望が非常に厚い。後輩たちにも慕われていて、彼女がコートにいると、大川や藪田(美穂子)が安心してプレーできます。
そんな彼女を活かして残留に懸けたかったということがひとつ。それから村永はサーブレシーブで崩されてもエースはとられないプレーヤーで、そこをチームとして重要に考えたということです。そこで彼女をリベロにしました。
――荒木(絵里香)選手の不在について。
印東:チームとして彼女を試合に参加させる権利はありました。また彼女自身、チームの成績に責任を感じて、参加の意思もあったのですが、代表のキャプテンがこの試合のために一旦離脱しなくてはならない、その時間を考えたとき、やはりオリンピック前の準備に専念してもらおうと。
代わりに荒木のポジションに入る選手の成長につながるということもあります。去年のチームから荒木、内瀬戸、ネリマンがいないというのは大変な戦いになりますが、代わりに出た杉(郁香)や周田が重圧をはねのけてやってくれたな、と。
荒木がチームに戻ってやるプランはありましたけれども、私としては代表に専念してもらうことが(バレー界にとっても)ベストなんじゃないかなと思いました。
撮影 堀江丈
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