2014-04-03 13:25 追加
ハイキュー!! 古舘春一先生インタビュー
Others / 高校バレー 男子
-バレーボールの描写をする際に苦労している点と、逆に「ここが面白い」というところをおしえてください。
苦労している点は、ルールやプレイの説明です。ジャンプ読者は、もともとバレーに興味が無い人の方が大多数だと思うので、読者に「読むのめんどくさい」と思われる事なく、物語に組み込むためにいつも悩みます。あとは単純に、試合中キャラがコマに犇めいている場面が続く時の作画には苦労します。深夜に朦朧とした状態で描いていると、うっかり後衛の選手がブロックに跳んでいたり、右利きの選手が左で打ったりしていて、描いた自分を呪いながら描き直します。
苦労と面白さの両方を持っていると思うのが「ローテーション」です。苦労するのは、物語上の魅せ場と、実際のローテーションを噛み合わせるのが大変という事です。「ここで主人公の活躍がほしい!」と思った場面で、ちょうど後衛に行ってしまったりとかするので。
面白い点は、苦労する部分と全く一緒で、ローテーションによって、キャラクターの行動が制約される点です。例えば主人公の日向の場合は、リベロと交替するので、後衛に回るとプレイできません。その分、前衛に回って来た時の活躍は物語的にカタルシスが生まれます。
逆に、相手チームの強烈なサーブを打つ選手に、回ってきてほしくないタイミングでサーブが回ってくるハラハラ感などが、ドラマとしても面白いと思います。作中の選手が”漫画のキャラクター”として弱点や強みが強調されているからこそ、ローテーションもより面白いシステムとして描けると思います。
-「頂きの景色」「止まるトス」などの言葉をどんな場面で思いつくのでしょうか。
閃く、というよりは、絞り出すことの方が多いです。プレイに関する事であれば、そのプレイが印象に残るような言葉を探します。ただ文章で説明しても、忘れられてしまうかもしれないので。只管机に向かってストーリーを作りながら、とにかく悩んで考えます。
-取材で実際のバレーボールの試合を見に行く事がありますか。あるとしたらその際のエピソードなどを。
取材として行く試合は、主に高校の試合です。東京や、舞台・モデルにしている宮城・岩手の予選を見に行く事が多いです。遠方はなかなか行けませんが…。試合自体は、録画したものやDVDでじっくり見る事が多いでので、高校の試合を見に行った時は、試合前後の様子や、試合を待っている選手の様子等を主に見ます。
試合前の練習風景や、通常の練習の様子を取材に行った時に思うのは、練習にもチーム毎の色が出るなあということです。
-バレーボールの実際のチーム、選手で、ファンの方、注目している選手は。
学生時代は、青山繁さん(現中京大監督・ジェイテクトチームアドバイザー)のファンでした。現役の選手では、米山裕太選手(東レアローズ)のプレイが好きです。それと、星城高校の3年生リベロ、川口太一選手は、男子バレーでは非常に珍しい、Vプレミアリーグへ高校卒業後すぐに進む選手ということで、とても注目しています。「学生」と「社会人」の、”揉まれ方”の違いは大きいと思うので。
-「テンポ」「ブレイク」「シンクロ攻撃」など、テクニカルな用語を使う際に注意している点、苦労している点は。
ルールやプレイの説明と同じく、わかりやすく簡潔に、自然に読めるように、ということが、やはり一番気を使う点です。あとは、”必殺技”のくだりと同じで、とにかく読者に「なんかかっこいい!」と、まず思ってもらうことです。
-バレーファン、バレーをプレイしている、あるいはしてみようとしている読者に向けてのメッセージを。
バレーボールの面白さ、かっこよさを伝えられる様にがんばりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
「ハイキュー!!」はこれまで天皇杯や春高とコラボしてきましたが、現在はVリーグとコラボを行っています。2月8日(土)以降のV・プレミアリーグ男女大会の全会場で『ハイキュー!!』ステッカープレゼント中!!
また、2014年4月6日(日)夕方5時からMBS/TBS系列でアニメの放映がスタートします。バレーファンなら是非チェックしてみましょう。
詳しくは公式サイト、アニメ公式サイトへ。
写真:Michi Ishijima 久坂真実
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