2021-07-02 07:04 追加
男子代表・石川祐希主将「五輪は恩返しの場。身につけてきた攻撃力を発揮し、最高のパフォーマンスをしたい」(囲み会見全文)
男子代表主将・石川祐希 囲み取材(全文)
全日本代表 男子
6月28日に行われた男子日本代表チームのオンライン囲み取材の中から、石川祐希主将のコメントをお届けする。
――ネーションズリーグ(以下、VNL)のご自身の成果と課題を教えてください。
石川:個人的な成果としては、スパイクの決定率が非常に高かったことです。フェイントだったりプッシュだったりハードヒットしたりといった攻撃の選択肢が増え、それを良い状況で使えていたので、こういう結果になったと思っています。課題としてはレセプションの安定が必要。VNLの前半はレセプションの数字もよく、ミスも少なかったのですが、後半になるにつれ、Dパスと呼ばれる相手のコートに直接返ってしまうパスが多くなってしまいました。直接の失点は少なかったのですが、そういったミスが多かったので、修正していきたいと考えています。
また、キャプテンとして初めて臨んだVNLでしたが、僕自身のパフォーマンスも保ちながら、チームのことも見なければならない状況でした。少しいつもよりやることが多かったので、なかなか満足な結果を残すことができなかったですが、そういう経験をできたことはこれから成長していくための一つのステップになったと思います。これから残り1か月でオリンピックなので、危機感、緊張感を持って残りの期間を取り組み、オリンピックを迎えたいと思います。
――バブル下の大会で通常より制約が多かったと思いますが、大会中、気をつけていたことや心がけていたことがあれば教えてください。
石川:感染対策には気をつけていましたし、途中体調不良を起こしてしまいましたが、陰性でしたし、問題なかったと思います。FIVBに決められた範囲でしか行動してないので、同じところにずっといて、試合のことだけ考えて、それが負担とか、ストレスになることはなかったです。イタリアだったので、食事だったり気候も慣れているところで、いつも以上にバレーに集中できたのかなと思っています。
――オリンピックで石川選手が見せたいプレーは?
石川:僕自身、オリンピックは恩返しの場と思っているので、今までやってきた経験を生かして最高のパフォーマンスをするだけです。プレーで言うと攻撃、どんな球でも得点する力をここまで身につけてきたと思うし、このVNLでも高い決定率を維持できていたので、そういうところでプレーを発揮できればと思っています。
――VNLのカナダ戦について。オリンピックでも当たる相手にああいう試合をしてしまったことについて、危機感や課題など、五輪に向けてどうつながっていくか。キャプテンとして、選手としてどう感じているかを教えてください。
石川:カナダ戦は前半も僕たちのプレーは決して悪くなかったのですが、1点2点のミスから一気に流れを変えられてしまったところは反省点です。その1点2点の重さを改めて感じました。残りの期間でその1点の重要性というものを僕自身だけでなくて、チーム全員がわかっていると思うので、その1点のこだわりを再確認して臨みたい。カナダもメンバーが揃えば非常に力を持っているチームなので、そういったチームに勝っていくためには、1点の取り合い、1点をどう取っていくか。気の抜けない試合になると思っています。
――ブランコーチに関して。2017年にコーチに入って、代表チームがどう変わっていきましたか? VNLでは、どういった指示が具体的にありましたか?
石川:2017年からブランコーチが入って、特にクイック、パイプを中心した攻撃体勢が変わってきました。試合でもクイック、パイプが通ってくると、日本の戦いができていると思います。また、攻撃展開を速くして、速い攻撃から点をとっていくことは確立できているかなと思います。メンバーが入れ替わり、若い選手が入ってきても、そこは崩さずに追求できているところかなと。
VNLの指示は、相手の戦術や、こちらが次に仕掛ける戦術について話してくれていました。特に24-23とか、緊迫した場面でのタイムアウトだと、次はここにサーブを打って、Aクイックをコミットしてとか、そういった戦術のところでタイムアウトは話していますね。
――初戦ベネズエラですが、初戦の重要性を踏まえ、ベネズエラの印象、どのように戦うかを教えてください。
石川:ベネズエラは日本よりは格下のチームですが、乗せたらいいバレーをしてきますし、実際、戦ったのがワールドカップやリオの予選ですが、簡単には勝たせてくれない相手だと思っています。格下だからといって絶対に勝てる保障もないので、気を引き締めて臨みたい。相手がベネズエラ、カナダ、ポーランドなどですが、相手は関係なく自分たちのやってきたバレーを毎試合発揮することが大事だと感じます。
――VNLを拝見してて、ハイセットの意識の高さを感じました。サーブを強化する中で現代バレーにおけるハイセットの重要性をどう考えていますか?
石川:僕自身、ハイセットを上げることは自信を持っていて、僕の武器だと感じています。現在、非常にサーブが強化されていて、Aパス、Bパスにするのが難しくなってきています。その中で点をとらないとならないとなると、ハイセットの精度が非常に重要になってきます。ネットから離れているより、ネットの近くに上げられれば、リバウンドをもらったりだとか、押し合いで点をとったりだとか、そこから攻撃展開につなげられると思っているので、とにかくネットに近づけることを意識しながらやっています。あとは打って点をとれる方が流れを持ってこれるので、自分も上げていて気持ちいいですし、打っている選手も気持ちいいと思うので、なるべく打ちやすいトスを上げるようにしています。練習から取り組んでいることなので、パスから意識して、常にトスにはこだわってやっています。
――世界のトップ選手になるために、石川選手にとっては初めてのオリンピックはどういう存在? そのためにはチームとして、個人として何を残したいのか。中垣内監督は最低目標としてベスト8とおっしゃっていましたが、石川選手自身の具体的な目標は?
石川:目標はもちろんメダルを目指して戦いますが、予選突破が最低条件であり、一番難しいところかなと。そのあとは対戦相手もわからないので、そこまで今は考える必要はない。なので、予選をどれだけ勝って終われるかが重要かなと思っています。そこからは1戦1戦だと思っているので、予選が一番フォーカスしないといけない点だと感じています。また、僕が世界のトップ選手になるためには、日本も結果を出さないと世界から認められないと思うので、日本代表で結果を出すことも目指す目標です。
――2019年ワールドカップの直前、石川選手が初めてメダルをとると発言されました。監督としては8位、予選ラウンド突破を目標に掲げている中で、VNLも今回戦って力の差を感じたと思いますが、それでもメダルを目標に掲げているのはどんな思いからですか? それについてキャプテンとして他の選手にどんなことを伝えていますか?
石川:VNLの結果も満足に終えることができなかったですし、どこのチームもイタリア以外はフルメンバーで来ていたので、実際に対戦してみて簡単ではないのは間違いないのですが、チャンスもある。1点の取り合いと先ほども言いましたが、そこができてくれば僕たちにもチャンスはいくらでもあると思います。そこに挑戦していくべきかなと僕は思っています。でも、予選突破したあとは対戦相手もわからないので、まずは予選でどういうバレーをするか、どういう抜け方をするかにフォーカスして取り組んでいくべきだと今は考えています。
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