2023-05-04 19:06 追加
築城智「あんまり決勝とかも考えずにいつも通りやるだけ」「(日本代表のブラン監督から)今シーズン連絡は常に来ていた」ドイツリーグ決勝第1戦後インタビュー
ベルリン 築城智インタビュー
Others / 全日本代表 男子
ドイツ男子バレーボールリーグ(ブンデスリーガ)決勝第1戦、築城智(旧姓:井手)所属のベルリンは現地時間5月1日(月)にホームでフリードリヒスハーヘンと対戦、試合はティレ(S、ドイツ)の巧みなトスワークからソトラ(OP、チェコ)やブレーメ(MB、ドイツ)を中心に得点を重ねたベルリンが3-1(25-21, 25‐22, 28-30, 25-19)で勝利しました。
築城はリベロとしてスタメンで出場し、サーブレシーブ成功率72%をはじめディフェンスやつなぎの面でチームの勝利に大きく貢献。
また当日は7000人弱の観客が会場に詰め掛けてアツい声援を送っていました。
試合終了後、ベルリンの築城選手にお話を伺いました。
ー今日の試合をふりかえっていかがですか。
築城:やっぱり決勝の独特の雰囲気があって、相手も元々シーズン最初に(スタメンで)入っていた選手が戻ってきたりしていました。アルゼンチン代表で7番のヴィセンティン選手なんですが、彼が帰ってきて相手のチームにリズムがうまい具合にできてきていたので、そこはちょっと厄介だなと思っていました。それでもセットポイントとか終盤にうまい具合に点数が取れたので、そこは良かったかなと思います。けっこう終盤までシーソーゲームだったので、そこで最後に1、2点ポンと捲れたのは良かったです。あとけっこうチャレンジがうちに味方してたかなって感じだったので、そこはすごく良かったなという感じです。
ー今日勝って優勝まであと2勝となりましたが、決勝戦の残りの試合の意気込みをお願いします。
築城:次のアウェイのゲームが1つのヤマ場になるかなと思っています。もちろん今僕らが1勝リードしてはいるんですけど、 あんまり個人的には優勝とか考えてなくて、とにかく全部勝てばいいだけだと、相手がいる限りはもうそこに勝つだけっていうのがあります。やっぱり(優勝を)考えちゃうと、例えば最終戦2-0でリードしたら3セット目を絶対落とすみたいな。けっこうそういうのあるあるなんですよバレーボールの。なんでか知らないですけどやっぱりそういうのってあるので、そういうのは僕はあんまり考えないようにしてて、別にもう関係ない、もう何セットやろうが何試合やろうが、とにかく勝つだけっていう意識の中でやってるかなっていう感じです。だから、あんまり優勝とかは決まった後に多分嬉しいかなと思うんですけど、とにかく今は別にそこまではまだ全然考えてない。相手がいる限りそこを倒すだけですね。あんまり決勝とかも考えずにいつも通りやるだけです。
ーまだシーズンが終わっていない中で難しいかもしれませんが、今季のクラブシーズンをふりかえってどんなシーズンだったと思いますか。
築城:僕はドイツリーグはもう3年目でしたがベルリンに来て1年目で、普段の生活とかはそんなに問題はなかったんですけど、やっぱり最初は新しい選手とのコミュニケーション、コートの中でのコミュニケーションが最初はちょっと難しい部分もありました。ですが本当にシーズン終盤にかけてそういうところも改善されてきて、本当に今はチームとしてかなり出来上がってきています。本当に終盤というのもありますし、かなり出来上がってきてるなっていうのは、序盤からこの終盤にかけて感じています。僕自身も個人的にそういうことがいろいろ完成してきて、チームの中での約束事とか、ある程度どの人がどこまで取るとか、自分がどこまで取ればいいとかというのがわかっている中でプレーできているので、ある程度自分のプレーも安定してきているっていうのもあります。そこはすごく、やっぱり序盤よりやっぱ終盤の方がいいかなと、シーズンを通して考えるとそう思います。
ーこのシーズンを通して、個人的に一番成長したなって思える部分と、逆にまだまだ課題が残る部分をそれぞれ教えていただけますか。
築城:成長した部分で言えば、コートの中で少しリーダーシップを取れるようになってきたかなと思います。なんだろうな、別に(チームメイトが)外国人だからではないんですけど、やっぱり試合の中で選手が休んじゃう時ってあるんですよ。例えば今日の3セット目なんてそうだと思うんですけど、3点ぐらいリードしていて雰囲気でなんかもう勝つだろうなみたいな、そういう雰囲気ってあるんですよ。そういう時に締めるというか、「全然まだ3点とかわからないし」みたいな。そういうところでのリーダーシップ、コミュニケーションをうまく取れるようになったというのはすごく自分の中では成長かなと思っています。課題ってのは本当にもう尽きないっちゃ尽きないんですけど、本当にまだまだ成長しないといけない。技術面もそうですし、精神的にもそうですし。だから課題と言われてこれだけってのはないんですけど、本当にまだまだいっぱいありますとしか言えないです。
ーその中でもあえてひとつあげるとすればどうでしょうか?
築城:うーん、そうですね、やっぱりディフェンスのとこかな。もちろん試合とか相手によってかなり変わってくるんですけど、やっぱりもうちょっと触ったボールをこう、…なんて言うんだろう。例えば今日も1本あったんですけど、個人的には難しくないボールだったんですけど、打たれたボールを自分のコートの中に上げられなかったりだとか。点差もあったはあったんですけど、やっぱそういうところの1点というのは後々響いてくる可能性もあるので、そういうディフェンス面をもっともっと向上しないといけない、特にあげるとすればそこかなと思います。
ー日本代表のことについて、まずは代表メンバーへの復帰おめでとうございます。
築城:ありがとうございます。
ー代表に決まったときにはブラン監督から連絡があったのでしょうか。
築城:そうですね。今シーズン連絡は常に来ていて、もう本当に序盤の方、11月ぐらいからずっと連絡が来たりとかしていました。元々ブランさんもベルリンに来るっていう話があったんですけど、予定が合わずに結局はテレビ電話でちょっと話をしました。いろいろ代表のこととかも話して、どうかみたいな感じで、それで入ったというか入れてもらったというかという流れですね。
ーブラン監督からどういうところを期待されての選出になったのでしょうか。
築城:ブランさんも記者会見で言われてましたけど、海外の外国人のサーブとかスパイクとは違いますし、それに関しては石川と僕と髙橋藍が代表の中でいちばん経験しているというのは間違いないです。これはもうどう考えても本数的に他の日本人の選手よりは間違いなく経験という部分ではかなりあるので、やっぱりそういった部分を求められてるのかなっていうのはあります。また年齢的な部分、コート外でも(チームを支えられる)、ブランさんはそういう人間が必要だと記者会見でも言われてたので、自分的にはやっぱりそういうところを求められてるのかなと思います。若い選手もいっぱいいますし、自分ももうあの代表の中ではそんなに若くない。上から2番目だったかな、たぶん深津さんのお兄ちゃん(旭弘選手)がいらっしゃったんで、そういう部分で仕事じゃないですけど、コミュニケーションかチームの風通しを良くするような役割もひとつ求められているんじゃないかと思います。
ー今年の日本代表としての目標をお願いします。
築城:もちろんこれはもう僕に限らずチームとしてですけど、やっぱりまず最低限オリンピックの出場権を獲得するっていうところ。これは間違いなく全員が同じ方向を向いてる目標だと思うので、本当に最低限そこ。本当に変な話もうそこだけですね。あとはもう最低限イランに負けない、多分イランと世界ランキングの争いに最後はなってくると思うので。もう本当にそこだけです。
ドイツリーグ決勝の第2戦は日本時間5月5日(金)深夜3時から行われます。試合は下記ページから無料視聴できます。
https://m.twitch.tv/spontent/home
写真・文:堤敏樹(『トシキのバレログ』より)
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