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コラム

2023-09-28 20:58 追加

河野裕輔のエール! 第23稿 ここで 決める! ワールドカップバレー2023男子大会に向けて

全日本代表 男子

■ターゲットゲームは3つ!①
まず大前提として気が抜ける試合や楽な試合など1つもない事を申し上げておくが、その中でも特に重要なゲームは3つと考えている。
 まず1つ目は9月30日、開幕戦だ。相手はフィンランド。世界ランキングは28位と今回の出場国の中では最下位だが油断はできない。なぜなら開幕戦の入りというのはどんな選手、チームであっても非常に難しく、重要なものだからだ。ここでつまづいてリズムを崩すチームをいくつも見てきたが、ここでのポイントはサーブ、レセプションの安定感だと考える。初戦で安定感を出すことに成功したならば、チーム全体の自信となり大きく流れに乗ることも可能だ。またホームといえど観客の入った体育館におけるサーブのトスアップの感覚やセッターのサイドへの距離感、スパイカー陣のハイセットの感覚を掴む事も重要な課題となるだろう。まずはここでオリンピックへの扉を大きく開けたい。

■ターゲットゲームは3つ!②
 2つ目に挙げるのは10月6日のセルビア戦だ。勝手な予想になるが、筆者はここまで全勝で来ていると信じている。このセルビア戦に勝利することでオリンピックへ王手をかけることになる。セルビアとは今年のVNL第2戦で当たり、3-1で勝利することができているが、今回メンバーの変更はあるのか。前回と同じような展開になるのだとすれば勝負の鍵はサーブである。サーブでどれだけ相手を苦しめることができるか、サーブが走れば龍神の持ち味であるブロックからのトータルディフェンスが機能することで相手システムの破壊が容易になる。石川、高橋藍、西田有志、宮浦健人らのビッグサーバーに期待したい。

注目すべき相手としてVNLで対戦した時に不在であったOHコヴァチェビッチ、MBポドラスチャニンが登録されているため要注意。そしてVリーグにも参戦、JTでプレーしていたOPルブリッチの存在だ。コヴァチェビッチが入る事により攻守の安定感が増し、ポドラスチャニンの加入で中央スロットからの攻撃やブロックの強化につながると予想している。そしてそこをマークせざるを得ない龍神に対し、ルブリッチが強烈なスパイクを叩き込んでくるであろう。VNLでは勝利をつかんだ龍神だが、このセルビアをどう攻略するのか。再度申し上げるがサーブが鍵だ。

■ターゲットゲームは3つ!③
 最後は10月7日、スロベニア戦だ。龍神としては何が何でもここで決めたい。しかしスロベニアは直前に行われたユーロ2023においてポーランド、イタリアに次いで銅メダルを獲得。上り調子のチームである。スロベニアの武器は何といってもサーブ。序盤だろうが、フルセットだろうが強気で打ち込んできて、相手に大きなプレッシャーをかけていくスタイル。ここでの注目選手は昨シーズンジェイテクトSTINGSでもプレーしていたウルナウト。彼がチームの土台を支えながらOPモジッチに繋いでいくスタイル。もちろんチームとしての完成度も高い。ユーロ3位決定戦においてもフルメンバーのフランスを下していることからも、その強さはお判りいただけるだろう。
このゲームにおける鍵はサイドアウト一択だ。とにかくブレイクされないこと。1回でサイドアウトを取り、シーソーゲームに持ち込むことができればチャンスはある。毎セットデュースでもいい。とにかくスロベニアのサーブを攻略することが課題となる。ここはじっくり勝ち急がないゲームでスロベニアのリズムを崩し、焦りを招いて勝機をつかむゲームとなりそうだ。石川、高橋藍、リベロ山本智大のレセプションから関田誠大の最高のセットワークを引き出し、是非10月7日でオリンピックの切符を掴んでほしい。翌日のアメリカは世界ランク2位、非常に難しいゲームとなることが予想されるだけに、ここで決めたい。

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