2024-05-31 11:50 追加
東レ・松岡芽生「現状を変えてやろうって思ってます。いつかセナさん(関菜々巳)ともう一度同じコートでプレーしたい」 Ⅴ1女子
東レアローズ・松岡芽生インタビュー
SV女子
東レアローズ・松岡芽生選手のインタービューをお届けする。
松岡選手は福岡県出身。ポジションはリベロ。九州共立大学から2023-24シーズンに内定選手として東レアローズに加入した。
毎年、Vリーグの優勝候補にあげられる東レアローズだが、昨シーズンは石川真佑、黒後愛ら主力が相次いで移籍、退団。これまでにない苦しい戦いを強いられた。
ややもすれば沈滞ムードに飲み込まれそうな中、シーズン後半に加入した松岡選手は躍動感のあるプレーでアロ-ズのコートに、応援するファンの心にもう一度火をつけた。
今季のアローズは8位。
日本代表セッター関菜々巳の海外移籍が決まり、ベテランミドルブロッカー井上奈々朱も引退。加えて多くの中堅選手が退団し、SVリーグ開幕を前にチームは大きな転換期を迎えることになる。
シーズン後半、彗星のように登場した松岡芽生は強豪、東レアローズ復活の矢になるか。
取材は5月3日、第72回黒鷲旗の会場で行った。
■東レアローズ
●松岡芽生選手(リベロ)
――「すごく熱いプレーヤーだな」と感じました。その熱量は元からの性格ですか?コートの中だけじゃなくて、普段もそういう感じ?
松岡:人がいないところで一人でにぎやかにしているわけではないですよ(笑) でも、やっぱり誰かがいると雰囲気を下げちゃいけないというか、そういう空気にはしたくないなって思っていて。
そういう意味ではコートの中だけが特別というわけではないですね。
――気持ちで負けたくない?(笑)
松岡:負けたくないですね(笑) それに、相手にどう思ってもらえるかって、やっぱり日常生活の信頼関係が大事だと思うんです。普段の生活の中でしっかり関係ができていないと、コートの中で「この人ならやってくれる」と思ってもらえないんじゃないかなって。だからコミュニケーションは大事にしてますし、意識していますね。
――コートの中でアクションにロックを感じました。そういう音楽を聞いたりする?
松岡:いえ、激しい音楽やテンポの速い曲はあんまり聴かないですね。なだらかな感じというか…緩やかな音楽を聴きます。
――あ、意外です(笑)
昨シーズンは内定選手として加入。本当に彗星のように現れた印象が強くて。
ずっとレシーバー、リベロをやってきたんですか?
松岡:中学まではセッターをやってました。高校(誠英高)でリベロに転向して、そこからですね。
――リベロとしての自分の強みは?
松岡:うーん、大学の頃は本当にサーブレシーブに命かけてやってました。サーブレシーブを安定させたいなって。
――ディグより、サーブレシーブの方が得意?
松岡:どっちが得意で、どっちが苦手かっていうのはあんまり考えてないですね。
学生のときは本当に基礎を作ろうと必死にサーブレシーブをやってきました。
でも、ディグで「これは無理そうやな」とか「これ追いつけないやろ」っていうところを食らいついて、落ちそうなボールに飛んでいくのは好きですね。
自分って本当に反射反応で動くタイプ。勝手に体が動くというか。「相手がこれしてくるかもしれない」という読みが結構当たるんです。
――東レアローズにはどういうイメージを持っている?
松岡:「常勝チーム」ですね。小学校の時から見てますけれども、常に勝つチーム、スター選手もたくさんいるっていうイメージを強く持っています。
でも今の東レはいろんな選手が抜けていって…スター選手がいるかって言われたら、そういうわけでもないし、日本代表のメンバーがいるわけでもない。
そういう中で、本当にみんな真面目にコツコツ練習していて。
でも、もしかしたら真面目過ぎてしまうのかもしれないなって。
アローズは諦めない、簡単に負けてはいけないチーム。負けられないっていうプレッシャーがすごくあります。でも今はなかなか勝てていない。チームに入ってみて本当にそこが難しいなって。
難しいんだけれども、自分が変えてやろう、自分が勝たせるんだって思ってるところもあります。
このチームはなんかひとつきっかけがあれば絶対変わると思っています。
――その中心になるのが松岡選手だなと感じました。
松岡:ありがとうございます。いや、でも、全然まだまだですね。
――憧れの選手などは?
松岡:ずっと見てたのは佐野優子さん(元日本代表/ロンドン五輪銅メダリスト)ですね。高校の時は水杉玲奈さん(金蘭会高ー東レ/元日本代表)とか。
――水杉さん、世代も近いですね。
松岡:自分が高校1年生の時、水杉さんが3年生で。インターハイでも対戦しました。
その時、本当にレベルが違うなって。プレーも参考にさせてもらいました。
それから小島満菜美さん(日本代表/今季NECレッドロケッツ退団)。拾うスピードとかすごいなって。
――内定期間が終わって1年目、ルーキーイヤーになります。SVリーグも始まります。これからどういうプレーヤーを目指していきたいと思っていますか?
松岡:リベロって点数を取るポジションではないので、なかなか印象に残らないかもしれないですが、ボールを簡単に落とさない、しつこいプレーヤーだなって思われたいですね。
相手からは嫌がられて、でも仲間からは信頼されている、そういう選手になれればなって。
それからセナさん(関菜々巳)ともう1回、同じコートでプレーしたいなってすごく思っているんです。そこが自分がこれから目指す一番の場所です。まだまだですけれど、それを目標にして、本当にしつこく、しつこく、粘っこくやっていけるリベロになりたいと思っています。
取材・撮影 堀江丈
同じカテゴリの最近の記事
- 今季での引退を発表した埼玉上尾メディックス・山岸あかね「持ち味は守備範囲の広さ。一緒にコートに入っている選手を助けたい」 SV女子 [SV女子] / 2024.10.11
- 現役選手がU-15チームの監督を兼任。アランマーレ山形・柳沢紫子「楽しくプレーすればおのずと結果がついてくる」 [Others,SV女子] / 2024.10.10
- マーヴェラスジュニア・ヘッドコーチ坂下麻衣子さん「ふとしたことから選手たちの成長を感じることができる。バレーボールを楽しんでもらいたい」 [Others,SV女子] / 2024.10.08
- サーブランキング2位。負け続けた中で輝いた個人ランクとチームの真髄。”沈着冷静なミドル”伊藤摩耶が見せたアランマーレ山形の矜持 SVリーグ [SV女子] / 2024.09.10
- とれたて新米キャプテンの挑戦。ブレス浜松・西行米「素子さんから自分たちの武器を持つ大切さを教えてもらった」、狩野亜衣「ミドルがポイントゲッターになる」 [V女子] / 2024.09.02
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.