2026-09-30 16:43 追加
【支える人々】バレーボールの熱狂を、部屋から世界へ。インフルエンサー・エグチが語る「自分だけのポジション」と未来
【支える人々】バレーボールインフルエンサー・エグチさん
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コート上の熱気をそのままに、独自の切り口でバレーボールの魅力を届けるインフルエンサー・エグチ氏。内定を蹴って飛び込んだ配信の世界、TikTokでの大ヒット、そして「専門家」ではなく「一人のオタク」として熱狂を共有する独自のスタンス――。彼の歩んできた軌跡と、バレーボール界の未来に向けた挑戦について、一問一答形式で詳しく伺いました。
――まずはじめに、ご自身のルーツやバレーボールとの出会いについて教えてください。
エグチ:生まれは熊本県で、8歳から18歳までの青春時代は沖縄県で過ごしました。バレーボール自体は中学校から始め、高校時代にはスタメンとして憧れの「春高バレー」の舞台にも立つことができました。
ただ、当時から自分自身がコートでプレーすること以上に、「試合を観戦すること」に凄まじい魅力を感じていたんです。九州大会で他校のライバル選手たちのプレーを見て一喜一憂したり、プレースタイルに魅了されたり……。振り返ってみれば、高校生の段階で既に根っからの「バレーオタク」としての素質が開花していたのだと思います。
――高校卒業後、インフルエンサーという現在のキャリアへ進むことになったキッカケは何だったのでしょうか?
エグチ:大学2〜3年生の時、友人に誘われて応募したVライバー(VTuber)のオーディションがすべての始まりでした。軽い気持ちでの参加でしたが、とんとん拍子で審査を通過し、最終選考のラスト8人にまで残ることができたんです。その際、審査員から「トークの掛け合いや引き出しの多さがズバ抜けて面白い」と大絶賛されました。
この成功体験によって、「自分は裏方ではなく、表舞台に立って言葉を届ける人間なんだ」という強い確信を得ました。当時すでに映像制作会社への就職内定をいただいていたのですが、それを辞退し、覚悟を決めてYouTuberとしての活動をスタートさせたんです。
――順風満帆なスタートから、どのようにして「バレーボールインフルエンサー」へシフトしていったのですか?
エグチ:最初はユニットでYouTube活動をしていたのですが、相方の体調不良なども重なり、活動の方向性を再考せざるを得ない時期がありました。そこで、当時急速にトレンドとなってきたTikTokにプラットフォームを移し、自分の原点である「バレーオタク」としての知識や熱量を前面に出した発信を始めてみたんです。
すると、これが想像以上の大ヒットを記録しました。自分の「好き」という熱量とプラットフォームの波が完璧に噛み合い、一気にバレーボールインフルエンサーとしての認知を広げることができました。

ライブ配信中のエグチさん 本人提供
――現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか?自身の肩書きについての考えも教えてください。
エグチ:活動内容は非常に多岐にわたっています。軸となるのは自宅での動画制作・投稿を通じた広告収入や企業案件の獲得ですが、それだけにとどまりません。試合会場でのMCや、各種トークイベントへの出演、バレーボール大会の広報活動など、リアルな現場での仕事も多くいただいています。
ただ、自身の肩書きについては、現在も模索中なんです。「インフルエンサー」や「バレーオタク」といった既存の言葉だけで自分を定義してしまうのは、少し違うのかなと感じていて。既存の枠にとらわれない新しい立ち位置を作りたいと考えています。
――多くのクリエイターがいる中で、エグチさんならではの「強み」や「ポジション」はどこにあると考えていますか?
エグチ:他のクリエイターの方々は、試合会場や現場にアクティブに足を運んで現地レポートをするスタイルが多い印象があります。しかし僕は、それに加えてあえて「自宅からの発信」をメインの軸に据えています。
現地に行けないファンと同じ目線で、自宅から熱狂を発信する。そうすることで、「これからバレーボールを見始める初心者の方々にとっての、一番親しみやすい入り口」という独自のブルーオーシャンを構築できていると感じています。
――動画制作や発信において、最も大切にしているスタンスは何ですか?
エグチ:「専門的な解説者にはならない」ということです。元プロ選手や専門家の方々による高度な技術解説や戦術分析には心からリスペクトを払っています。だからこそ、自分が目指すのはそこではありません。
僕自身が大切にしているのは、「視聴者の皆さんと一緒に試合を見て、一緒に熱狂するスタンス」です。難しい専門用語で分析するのではなく、一人のファンとして試合に一喜一憂し、感情をリアルタイムで共有する。ファンと同じ目線に立ち続けることこそが、自分のコンテンツの核だと思っています。
――最後に、今後の目標やバレーボール界での新たな挑戦について教えてください。
エグチ:単なる「一時的な話題を提供する一インフルエンサー」の枠を抜け出したいと考えています。
理想とするのは、日本バレーボール協会会長の川合俊一さんのような存在です。タレントや解説者、競技団体のトップといったあらゆるメディアやエンターテインメント、ジャンルの垣根を軽やかに超えて、世間一般へバレーボールの普及と認知を広げていく姿に強く憧れています。
SNSの枠を超え、多角的なメディアやアプローチを通じてバレーボールというスポーツの魅力を広め、業界全体に深く、そして持続的に貢献できる新しいキャリアモデルを確立すること。それこそが、これからの僕の次なるステップであり最大の挑戦です。
プロフィール
エグチ|バレーボールインフルエンサー
InstagramやTikTokのショート動画を中心にバレーボールの魅力を発信。 YouTube番組『週刊PUSH TALK!』の企画・運営をはじめ、大会アンバサダー、ゲームMC、トークイベント出演など幅広く活動中。
取材・文・写真:中西美雁
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