2015-02-11 10:00 追加
越境バレーボーラー 川口太一 イタリアでの経験を活かしてチームでのポジション争いに勝ちたい
SV男子
―昨年はAVCに出場して、それまでは世代別代表に選ばれたこともなくて、このときが日の丸をつけて戦うのははじめてでしたよね。
AVCが初めてで、そのあとアジアジュニアっていう感じですね。
―日の丸の重みとか感じましたか?
重み…責任感とか、代表としての自覚というのを持ってやりました。代表として行く以上は世界相手に勝たないといけないという自覚はありました。
―成績的には厳しい大会だったと思うんですが。
海外で試合する事が初めてだったし、海外で宿泊とか長い滞在は初めてだったし、自分なりに頑張ったつもりです。
―カザフスタンでしたっけ? 初長期滞在がカザフスタンというのはなかなかないですよね(笑)
ですね(笑) なかなかマイナーな…。でも本当に良い経験ができました。海外相手にこのバレーは通用しないとか。
―どんなことが通用しないと感じたのでしょう。
いま海外と同じバレースタイルというか、レフトとクイック、オポジットみたいな。同じようなことをやっていたら、海外の方が高さがパワーがあるから、やっぱり勝てないと思うんです。1本目2本目のボールコントロールに磨きをかけないといけない。センターがクイック打つとかじゃなくてブロードとか時間差とか、いろんな攻撃をもっと持って戦っていくのがいいんじゃないかなと感じました。
―1年前の取材の時は海外に目が向いていないという感じがしたのですが、こんな選手なってみたいとか、国内にとどまらない興味はでてきましたか?
モデナの選手とご飯を一緒に食べたりとかしてると、たとえばブルーノとか心が広いというか愛情があるというか、すごく皆に気を配れるような選手なんですね。僕もそういう皆に気を配れるような、余裕を持って視野を広く持てるような選手になっていきたいなと思います。
―日本の練習とおおまかに言うとどんな所が違うのでしょう?
僕のチーム(豊田合成)はアンディッシュ監督なのですけど、何の目標もないただやるだけのサーブを打ってただレシーブするだけというよりは、目的をもって3本連続で返すとか、何か目的を持って質を上げる。量じゃなくて質を高める練習をするんですね。イタリアはそういうのあまり無くて、質を上げてるとは思うんですけど意識というのは…。
―割と流してる感じ?
B1はそうですね。A1だとたぶん個人個人で思ってる事がいろいろあると思う。意識高くやろうとしてると思います。こちらでは休憩が長い。やる時はやる、休む時は休むっていうメリハリがしっかりしてるかなと。日本人だったら自主練習をだらだらしちゃう所なんですけど、こちらではメリハリがしっかりしてるかなという違いを感じました。
―イタリア語の勉強は? ちょっと話せるようになりましたか? 自己紹介とか?
初対面会ったときの自己紹介とかぐらいです(笑) あとは「解りました」とか「解りません」とか「知りません」とかそういう自分の意思表示ぐらい。
―なるべく通訳の方の手を借りずに自分でコミュニケートしようとしてる?
はい。してますね。できる限りは自分でどんどんトライしていこうかなと。
―今回は期間が決まっていて試合にも出られませんが、将来いつか機会があったら試合に出てみたいと言う気持ちになりましたか?
日本とはぜんぜん違うし、観客の数とかもぜんぜん違うし、そういう大観衆の中でレベルの高いプレイヤーと一緒に試合をしたいという思いは以前に比べて強くなりました。
―前インタビューさせていただいた時に、東京五輪が決まって、若干自分に近い事になったかなと思いつつも、それでもまだ全日本は遠い存在のようでしたが、全日本、シニア、五輪というものへの思いの変化についてうかがってもいいでしょうか。
オリンピックに出てメダルを獲ったりすることは目標においてるんですけど、まずは自分のチームに出て活躍しないことには遠い目標のままなので、自分のチームで試合に出てそこから次の目標へ、まずは試合に出る事が今の目標です。
―合成でのポジション争いについて。
厳しいのは僕自身わかってるし、でも絶対に勝てないと事はないと思っています。自分の努力しだい。今の努力じゃまだまだ足りないから自分が出れていないわけで。これからもっと努力して監督とコミュニケーションをとったり、自分から試合に出たいという思いを発信して、チャンスは少ないかもしれないけど、その少ないチャンスをしっかりものにするようにこれからやっていきたい。
―全日本でも?
チームで試合に出ないと全日本に呼ばれる可能性も低いと思うので、まずあの二人に勝つことができたらおのずと全日本に近づく事ができると思っています。
元気と若さでチームを活気づけたり、雰囲気を良くすることですね。
―技術的には?
ディグが得意で、僕自身ディグでは負けてないと思っています。あとはサーブレシーブの速さにまだ対応できなかったり、経験値が不足しているのが劣っている部分。そういうところはイタリアで速いサーブ受けたりして補っていこうと思います。
ーこちらに来て改めて思うことは。
イタリアにはイタリアの良さがあるけど、日本にも日本にしかない良さがあることを改めて実感しました。イタリアのいいところはしっかりとりこんで、でも日本人としての誇りも忘れないでいたいと思います。
聞き手:中西美雁
編集補助:横幕祐美
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