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バレーボールマガジン>インタビュー>越境バレーボーラー 今村駿「バレーボールという共通言語があるから、誰とでも繋がれる」  

インタビュー

2017-03-30 07:30 追加

越境バレーボーラー 今村駿「バレーボールという共通言語があるから、誰とでも繋がれる」  

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3月5日 Örkelljunga VK 対 Tierp VBK

3月5日 Örkelljunga VK 対 Tierp VBK

――お休みの日はどのように過ごしていますか?

ほとんど家族と一緒に過ごしています。そこら辺歩いたり、ヘルシングボリ(オルケルユンガから車で1時間程離れた街)に行ったり、IKEAに行ったり。

――最初から家族と一緒に行くことを考えていましたか?

もう、嫁の方は最初から付いて行くよと。さすが!と思いました。嫁もプレーヤーとしては海外生活が長いので。

――海外行きは奥様の影響も大きかったですか?

少なからずありますよね。

――家族を持つと日本に留まることを選ぶ選手も多いと思いますが…。

本当はそうしなきゃいけないんです。そういう状況にしてくれた家族が凄いんですよ。嫁と、向こうのご両親もそうなんですけどうちの両親も。本当に恵まれていると思います。家族がいるので家族の生活が第一なのはもちろんで、自分一人の判断で「俺こっち行くからね」みたいなことはできないわけじゃないですか。ましてチーム辞めて行けるか行けないか分からない状況がくるのを分かっていたから、普通だったら言えずに留まって、表にも出さずにこのまま終わりにしようかなと思っていたんです。けど、それを言える雰囲気っていうか、嫁がそれを言える人だった。自分がこうしたいって話しても大丈夫だろうなと思いました。

――最後にこの場で伝えておきたいことがあればお願いします。

今回の行動は、東京五輪を目指す上での行動でもあり、スウェーデンに行くだけじゃなくて結果もついて来ないと、目にも留まらないと思っています。ただ、日本でワンシーズン過ごすのと海外で過ごすのとはかなり違うと思っています。メンタルの部分もそうだし、環境に適応できるとというのは自分の強みでもあるし。違う国であれバレーボールをするのには変わりはないので、僕みたいななんでもないプレーヤーがやることで、もっとこの子だったらここまで行けるなとか、この子海外でやったら面白いんじゃないかなとか、俺がやってるんだからお前だったらもっとできるよ、と思ってもらっていいと思います。

だけどやる以上は真剣勝負なので、僕も生活かかってるし、そこのハングリーさっていうのは、負けないつもりでいます。本当に海外でやりたいという思いがあって行動できるのであれば、その一歩踏み出せるかどうかは本人次第です。可能性はみんなにある。出たいと思うのであれば、一歩踏み出して欲しい。その一歩が上手くいくいかないはあるにしろ、一歩踏み出した時に自分がどう行動したかっていうのは、絶対、後々返ってくることだと思います。バレーボールという共通言語があるんだから誰とでも繋がれるということを発信しないといけないと思っています。

いきなりイタリアとかレベルの高い国に行くのは本当に稀なことであって、日本人に対する評価は絶対そこまでいってないんですよ。だから国を選ばずに…。もちろん高いレベルでやりたいというのは選手として当然のことなんですが、今の日本人選手の評価をみたら正直ないに等しい…そう思いませんか?

――古賀選手がセリエA1のヴェローナからオファーをもらったと聞き、世界も日本人に目を向け始めてきたように感じています。

あいつすごいですよ(笑)。だから僕も結果を出さないといけないし、この国で「あいつ大したことなかったな」と思われちゃえば、僕が日本人の基準になるわけじゃないですか。ましてセッターが190cm代のこの国で180cmそこそこのちっちゃい日本人セッター採りますか?

それだったら他にいいアタッカー採るのが普通じゃないかと。だからいいところを見せないと。僕が今のところプレー出来ているから、海外に出てみようと思う選手がいるのであれば、それは僕も嬉しいことであって、世界とか、自分の持っている価値観とか変わると思いますね。

まだワンシーズン通してプレーしている訳じゃないので、現時点で感じていることなので、シーズン終わってみたら感じることが別にあるかもしれませんね。

 

日本では情報が少ないスウェーデンリーグ、身体能力の高いスウェーデン人のバレーは多少荒さはあるものの、攻撃は多彩、決して単調なバレーではありません。2013年の欧州チャンピオンズリーグのMVPは、MarcusNilson、スウェーデン人。ヨーロッパのバレーのレベルの高さを物語っています。

スウェーデンからヨーロッパバレーの扉を開き海外バレー街道を歩み始めた今村選手、プレーヤーとしてだけではなく人間的な大きさをも感じさせ、今後の行く先から目が離せません。そしてこの経験が全日本に還元され私たちが目にする日も、近いかもしれません。

聞き手・写真:宮崎治美

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