2019-04-27 07:00 追加
石井優希「成長段階の過程として、いい意味で濃い1年でした」 V1リーグ初代女王・久光製薬スプリングス優勝インタビュー
SV女子
──シーズンを振り返ってみると苦しかったこともあったと思いますが。
石井:私自身は、技術ではない部分で、体のだるさを含めどよーんとした感じがすごく長くて、どうしてかわからないんですが、すごく頭や目もとがだるいという感じが続いていて、足のほうも、左足の感覚が悪くなって、痛いわけではないんですが、足首がはまらず抜ける感覚がありました。若い時に捻挫してからですが、グラグラしていてテーピングを貼ってやっていましたが、今までにないような抜ける感覚が新たに出てきて……でも注射とかでよくなるわけでもないですし、痛くないからできるんですけど、自分の思ったように動けない。なんで? ってイライラして、それでイライラしだしたらそのことだけになってしまって自分に余裕がなくなって、そんな悪循環で。それが人間関係とも重なって……。
今までは自分がうまくパフォーマンスするために自分のことに集中してやっていましたが、キャプテンのナナさん(岩坂)を助けたいというか自分自身も今後、若い選手とやっていくために『周りを見なきゃいけない』と思って、今シーズンは周りを見ようと努めていました。そうしたら今まで見えなかった部分がいろいろ見えて、それで自分にストレスがかかって疲れたり、見えるから『何でこの人はこうなんだ』と練習の態度などにもイライラしてしまって。「部屋でちょっと話そう」って呼んで直接、話をしたりもしました。言う方もしんどいし言われる方も嫌だったとは思いますが。
──そんな中で、どんなふうに思い直したのですか?
石井:いざ試合になれば、自分のプレーやパフォーマンスを上げないといけないので、『集中しよう』と思いました。気持ちはしんどかったですが、バレーやプレーやパフォーマンス自体は悪くなかったと思いますし、安定していたと思います。バランス的に全部頑張ろうと思っていましたし、前回のシーズンにMVPや賞(ベスト6賞、レシーブ賞)をもらっていたので、なおさらもっとやらないと、という思いもありました。飛び抜けてよかったという試合があまりなく、あまり目立っていなかったので自分の中でも『これじゃダメ』みたいに思ったこともありましたが、そういう全ての重なりがあって、いい意味で濃かった。成長段階の過程として本当に濃い1年だったと感じました。
──アスリートとしての成長ですね。技術がうまいとかのプレーヤーとしての一面だけでなく人間的な部分などトータルで。
石井:より考えるようになりました。ナナ(岩坂名奈)さんは全体的にチームを締めてくれますが、ナナさんも苦しい時はいっぱいあって、日本代表でも苦しんでいましたし一緒にいる時間が多かったので、助けてあげたいって思いが素直にありました。逆に助けてもらうことも多くありましたが。私も、立場も上になって経験もしてきて、『ああ成長してるな』って自分でも感じます(笑)昔に比べたら、実感できる成長ができていると思います。
──ほんと。昔の石井選手なら自分から呼んで何か話をするなんてなかったですよね?
石井:なかったですね。コミュニケーション能力というか、若い選手と話すことはあまりなくて、どちらかというと避けていましたから。今シーズンは初めて家に呼んで一緒にご飯を食べたり(オフに)遊んだりした選手もいます。普段、頑張っている選手やセッターの比金(みなみ)とか。若い選手にも頑張ってほしいので。
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