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インタビュー

2019-10-05 15:50 追加

日本代表の若きエース西田有志「バレーの知名度を上げるためにも」「清水選手は”すごい””やっぱりすごい”しかない」

SV男子 / 全日本代表 男子

西田のブロック中垣内監督から「成長している」

西田といえば、得点を決めた後の迫力あるガッツポーズ(2019年6月、ネーションズリーグでのアルゼンチン戦)。

――多分ですが、西田選手は代表でプレーする中で、アタックとサーブは去年、だいぶ自信がついたのではないかと感じました。次はブロックを意識してくるのではないかと思いましたが、いかがでしょうか?

西田:そうですね。ブロックは去年1年でも意識して練習して、今年代表シーズン始まった時、去年スタート時と比べて、中垣内さんから「成長している。1枚でも止めているケースが増えている」と言われました。そこは自分としては成長してきたと自信を持っていいのではないか。

フランス代表のセッター、(ベンジャミン・)トニウッティ選手は身長が低くても(183cm)、ブロックが上手いと言われています。トスが上手いというよりブロックが上手いと言われる。それはなぜか、駆け引きだったり、手の出し方や掛け合いが上手い。自分が、(身長が)大きい選手と対抗するために、高さで対抗するのかというと高さで勝てるわけでないし、その前に出る段階(ブロックで手を前に出す段階)でどうするのかというところで、勝てないというか。スタート地点が違うので。

レベルアップさせるために何が必要なのかとなった時、相手の行動だったり、癖だったりとかデータで出ているので、それが自分には必要じゃないかなと思っています。近く(でプレーする選手)だったら(ミハウ・)クビアク選手(ポーランド代表主将でパナソニックパンサーズ所属)がそれに近いんじゃないかな。参考になります。

フランス代表のセッターであり主将のベンジャミン・トニウッティ。身長は183cmながらブロックも上手い。

トスを上げるベンジャミン・トニウッティ(今年9月のヨーロッパ選手権の開幕戦)。

――所属のジェイテクトだったら浅野(博亮)選手も参考になりそうです。

西田:そうですね。(ブロックの上手い選手たちは)何をどう見てるんだろうと。リーグでも、ブロックでポイントになって、トータルで結構止めていたかなとは思います。去年だったら、自分のレベルではほとんどありえなかった。それが少しでも止められるようになったのは良かったです。

 

――確かに(2018・19年シーズンの)リーグ戦終盤ではブロックシャットのポイントを結構取っていました。

西田:シャットだったり、ワンタッチとってからの切り返しだったりとか、有効になるブロックの効果、チームに貢献できていた部分はあったと思います。

 

代表と所属チームのギャップにも苦しんだ経験も成長に

――引き続きリーグのことを聞いてすいません。昨シーズン(2018・19年シーズン)のリーグ序盤は絶不調ではないとは思いますが、西田選手が何か燃え尽きている感、モヤモヤしている感がありました。あれはなんだったんでしょうか。

西田:こっち(日本代表)は本当のトップだったり、日の丸を背負って戦っている中でのプレッシャーがすごい。1点に対しての気持ちがものすごく重い、強い場所だった。自分は(所属チームに戻って)そのままいったつもりだったが、やっぱそこでのギャップ差があるわけで、場所が違うというのもあるかもしれないですけど、そこは自分としては難しい部分だったところかなと。

 

――正直プレーを見ていて、内心いらだっているなと思いました。

西田:それは結構ありましたね。でも、いら立っていても、それってチームに悪影響です。だから自分でなんとかしない場面だったことを、チームにまでもそれを与えてしまって、申し訳ないことをしたなと思いました。

 

――途中で解消できました?

西田:解消はしましたし、このチームで、現時点での最大限のことをしようと思いました。代表の時のように良いプレーができたかといわれても、良いプレーはできてないかもしれないですけど。自分だけが良いじゃなくて、チームに対してどういう貢献の仕方ができるかというところで、自分の最大限を出すということが一番チームにとって良い。自分はそういう考え方に切り替えて取り組みました。だから、結構苦労しましたけど。やっぱり抜けないですね。この世界で戦うと、こっち(代表)が濃すぎて。

 

――でも、それは逆に所属チームをレベルアップさせる上でいいのでは?

西田:そうですね。でも、自分がそのチームをなんとかしないといけないというキャリアを持っているわけではないですし、それをそういう風に深く思いすぎるのもあんまりよくない。

 

――もっと自由に?

西田:「自由にやれよ」っと福澤(達哉さん)もいってくださって、それはだいぶ大きかったですね。

所属するジェイテクトSTINGSでは攻撃の大黒柱。チームメイトの郡のポーズに笑顔を見せる西田(今年2月24日のV1リーグ・豊田合成トレフェルサ戦)。

――やはり1年前、2017・18年シーズンの3レグで現役高校生選手としてデビューして活躍し、一気に日本代表まで上り詰め、周囲の見る目が変わり、期待値も一気に上がって…とプレッシャーはきつかったですか?

西田:プレッシャーに対してあんまり自分の中では感じてなかったですけど、ひそかに何かを感じていたのかなとは思います。ただ、そこは自分は鈍感なんでわからないですけどね。この人なら絶対こうしてくれると言われても、どうだろうね、という言うくらいなんですよね。絶対とは言えないですし、自分のレベルがそこまでいけてるのか?というと、いけてないと自覚している。もしそれができたらいいし、できてなかったら何をそこまでできるようにするのか。そこまでのレベルアップができるようになりますし、そこらへんは考えましたね。

 

――誰かに相談したり?

西田:結構しましたね。(石川)祐希さんにもしましたし、まささん(柳田将洋)にもしましたし、福澤さんにもしました。やっぱりそういう世界に出ている人だったり、ベテランの人だったり、こういうところでしか気づけない環境というのもあるので、なんというか、よく相談させてもらいました。

 

――リーグ中も?

西田:はい。全然調子上がんないですけどって。すごい大雑把な、なんか、直線的にこれができないんですけどどうしたらいいんですか、ではなくて、調子上がんないですけどってぼやけた質問をしました。それでもちゃんと答えて頂いて、すごい助けてもらいました。

 

――その当時、見ていて気の毒だなと思ったのですが、周囲も本人も「調子が悪い」って言っていても、よくよく試合のデータを見ると、アタック決定率が50%くらいは出ていたりと普通だったりと。

西田:そう、普通なんですよね、あれ?って思って、それって悪いところだけがフォーカスされて、良いところだけが消されている状態がこういうことなんだなと。自分の中で自分の良いプレーを探し出さそうと思ったんですけど、悪いプレーの方がどうしても頭にこびりついちゃって、「あー、どうしたらいいんだろ」ってモチベーションが上がりづらかったです。でも、逆に自分でポジティブにとらえて前向きになったのがリーグ終盤でした。

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