全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>インタビュー>古田史郎選手インタビュー

インタビュー

2013-07-17 13:06 追加

古田史郎選手インタビュー

Others

-やっぱり、北海道…というか、札幌で過ごすというのは、ひと味違いますか?

違いますねー!

正直、札幌に来ようと思ったのは気まぐれだったんですよ。地元でもないし。
でも、なんとなく札幌に来て、なんとなく(北海)学園に来て、というかたちで日々過ごす中で、自分の居場所って、やっぱり札幌だったのかな、と思うようになりました。
札幌に来て良かったなというのと、札幌の人たちに助けられているなというのがすごくあります。

-札幌については前から何らかの思い入れはあったのですか

特にそういうものはなかったです。札幌にはJOC(中学時代)や国体(高校時代)などの準備で行くことがあり、その際に友人や先生との出会いがありました。

函館に戻るという選択肢は当初なかったですし、もし函館に戻っていたらバレーボールを続けていなかったと思います。札幌だからこそ続けられているのだと思います。

-それでは、札幌に来られるまでは、これからどのようにしよう、というのを考えていたところがあったのですか

そうですね。実際、バレーボール出来る状態ではなかったので…。

-史郎さんが北海学園に来られた、と伺ったのが11月近くだったと記憶していますが

初めて来たのが10月中旬……20日前後でした。
10月に来た当初はそんなに動けなかったのです。今も……ここ1年くらいフルでプレイ出来ていないんですが、そんな中、(家から近かったことなどがきっかけで)北海学園で学生といっしょに練習をするようになったんです。

僕が今でも学園に来てるのは、倉内さん(監督)や中田コーチがいるというのもあるのですが、それ以上に学生達が、出来るか出来ないかは抜きにして、バレーボールが好きなんですよね。

僕がここに来て、自分自身「あああ」っと思わされたのは、初めて学園に来た日に学生にいろいろと質問されたことでした。たとえば「サーブ打つときに緊張しないか」というような、細かいことについての質問もあったんです。

貪欲な学生たちとともに

貪欲な学生たちとともに

 

僕はバレーボールを小学校の頃からやっているんですが、小中高の先生方にとにかくいろいろなことを質問していました。先生方にはすごくいろいろなことを質問する、「何故」というのがすごく多いこどもだった、と言われてきていたんです。自分も知らないようなことまでいろいろ質問されたので、こちらもいろいろ考えさせられたんだよ、とよく言われたんです。

僕が学園に来た初日にいろいろな質問を受けて、自分自身が、以前は疑問に思っていたようなことを、疑問に思う前に、自分の中で問題解決できるようになっちゃっていたことに気がついたんです。いつの間にか「何故」という感覚が薄らいできていたのです。「何故」と思うようなことを、自分の中で解決しちゃったり、ひとに言われたことをそのまんま吸収する、つまり、自発的じゃないことが増えてきた、と。

自分がどうなりたいかというビジョンがあって、その局面に立たされたときに自分がどうしたいか、自分から「何故」というのがないと、「何故」をどう解決するかを導くことが出来ないんじゃないかと気づかされたんです。

自分自身忘れていた向上心、探求心を、札幌に来て少しずつ見つめなおしていけました。
自分がこういう人間なんだ、というのも、出せるようになってきたし、そういう意味では、(この場所を得たのは)タイミングがすごく良かったんだと思っています。

学生とともにAB戦に参加する。Bチームに入り、レギュラー陣を迎え撃つ

学生とともにAB戦に参加する。Bチームに入り、レギュラー陣を迎え撃つ

北海学園大学・倉内監督(写真右)、中田コーチとは北海道クラブでともにプレイしている

北海学園大学・倉内監督(写真右)、中田コーチとは北海道クラブでともにプレイしている

 

倉内さんや桂太郎(中田コーチ)に「レベルが違うんじゃないか」とよく言われますし、実際レベルは違うんだろうと思うんですが、僕がVにいたときを含め、その都度その都度、レベルとか求められる資質は変わってくるとしても、イメージというのは変わらないと思うんです。今までぼんやりしていた、どうなりたいかというイメージがしっかり掴めて、そのイメージに対して挑戦する、といううえで、今の環境はベストだ、とつくづく思います。

今は、この環境が当たり前になりつつあるんですが、当たり前ではないと思うんです。当たり前にしてもらってることに感謝しなきゃいけないと思っています。

 

-こちらにきて、イメージが広がったり、考えが整理できたりということがあったんだと思うのですが、全日本にいて海外チームと試合をしていたときと、現在とで、海外に向けての気持ちについて、変わったり、深まったりしたことはありますか?

正直なところ、現在の怪我の状況もあるし、どこまでベストに持って行けるかわからないんですが、自分のベストを追求して、だめだったらだめだし、良かったら良いし、そこ自体にこだわりは持ってないです。そういう境遇で挑戦した自分が何を得たのか、というところに期待したいです。

海外に対して自分が売り込むところというのは、その能力だったり、日本人は高さがない、パワーがないと言われるが、それに対してどう克服するか、いろいろ勉強しているところがあるし。トレーニングとかイメージとかでいかに挑戦していけるか、そこに懸けていきたいと思っています。

-海外を目指すにあたり、語学の勉強などされているのですか?

語学の勉強は、洋画を字幕無しで見るなどやっています。ただ、語学そのものについて、個人的にはあまり心配していないです。

-ことば以上に大事なことがあるのかもしれないですね。

確かに、そうですね。要は、相手先に何を求められているのかを読む、何を必要とされているのかを読むというのが大事なのだと思うんです。そのために、殻を破りたいな、と思って、自分自身のプロモーション、セルフマネージメントについて、いろいろ勉強しています。

-これからの抱負、ファンの方へのメッセージをいただけますか

今とても楽しくやってます!これまでとまったく違う環境で、面白いことにトライできている手応えがあります。

僕等(選手)というのは、受信もするけど基本的に発信する側だと思うんです。(これまでの)ルールとか概念をぶちこわす存在になりたいので、それを模索しながら、これからも自分らしく、北海道から「発信」していきます。

-ありがとうございました。

[聞き手・写真:出口季里]

>> インタビューのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック