2025-03-21 07:00 追加
東レ静岡・李博「藤井のトスの速さぐらいのスピードで新が私に預けてくれたので、迷いなく打てた」 SV男子
東レ静岡会見 SV男子
SV男子
3月15日、このはなアリーナ(静岡県)で開催されたバレーボールSVリーグ男子、東レ静岡対STINGS愛知の試合後、東レ静岡の会見をお届けする。
■東レアローズ静岡
●李博選手(ミドルブロッカー)
今日は藤井の追悼試合ということで、勝たなければいけない試合でした。
その点で悔やまれる結果となりました。
第4セットを取って相手を押せる展開で自分たちに有利な流れでしたが、相手に巻き返されました。
勢いやボールを運ぶ丁寧さ、そういったプレー面と気迫がもっと必要だったと感じます。
●西本圭吾選手(ミドルブロッカー)
フルセットの展開になり、外から見ると良い試合に映るかもしれません。
しかし、内容としてはミスがかなり多かったです。
勝たなければいけない試合の中で、自分を含め周囲もネット際のミスが多く、勝つのが難しいと感じました。
1人では戦えず、ファンの声援やチームメイトの声掛けがあった中で、コート内の選手だけでは戦えなかったと思います。
チームで戦えた部分はあると考えます。
負けた要因はまだ漠然としていますが、個人的には選手として負けたと感じています。
一流の選手はフルセットの厳しい場面で点を取る能力が優れており、経験も豊富だと感じます。
リーグでの年数を重ねていない中で経験を積むのは非常に難しいです。
厳しい場面でポイントを取れる選手にならないと厳しいと痛感しました。
勝たなければいけない試合に勝てる選手になりたいと改めて感じた1日でした。
――2人へ。相手チームの関田(誠大)選手が東レのブロックがしつこく2枚ついて嫌だったとコメントしていた。今日はミドルブロッカーとしてどのように対応したか?
李:主要な選手のマークを外さないように意識しました。
(リカルド)ルカレッリ(ソウザ)や(トリー)デファルコ選手を重点的に守っていました。
西本:僕は試合映像を見るのが好きで、セッターの癖を映像で分析しています。
特に日本代表の映像をよく見ており、こういう場面ではこうしたいだろうと自分の中でイメージしています。
もちろん全てが当てはまるセッターではありません。彼は素晴らしいセッターの1人です。
僕は楽しみながらやっているのがあって、駆け引きをするセッターなので、自分の頭を使いながらうまく嵌め込んでプレーしていました。
言語化するのは難しいですが、対策を立てつつ自分の感性を活かして対応していた部分もあります。
――李選手へ。今日は得意のBクイックだけでなくAクイックも終盤になるにつれ多くなった。自身の調子をどう感じているか?
李:いつでも万全な状態で試合に臨めるよう準備をしっかりしています。
練習段階でも新(貴裕)選手と合わせており、自信を持って挑めています。
上げてくれさえすれば全部打ってやろうというその気持ちだけではやっています。
――シーズン序盤は出場機会がなかったが、終盤に出場機会が増えて調子が上がっている感覚はあるか?
李:シーズン序盤でもウエイトトレーニングは欠かさず行っていました。
重いものをしっかり上げきる面を含め、(アスレティック)トレーナーの加藤翔さんにメニューを考えてもらっています。
その影響でプレーが落ちず、どっしりと構えられていると感じます。
ウエイトをそこまでしていなかったら、若干ふわふわして跳べない感覚が残り、今ほど自信がなかったかもしれません。
トレーニングをしっかり積み、練習量を減らさず刺激を入れ続けることで、全く迷いなく動けています。
体がしっかり入り、軸がブレないと感じています。
今までやってきたことが現在の自信につながっていると思います。
――2人へ。第4セットのブロックと攻撃で、ミドルブロッカーが流れを持ってきたように見えたが?
西本:シンプルに言うと気持ちです。
相手がマークしているのは分かっていましたが、それを抜きにして、新さんが上げてくるのが伝わってきました。
上がった以上は僕が責任を持って決めようという気持ちで臨んだ結果だと考えます。
観客へのアピールは会場全体を巻き込みたい一心でした。
(アピールするとき)藤井さんの旗が僕から見えて、自分としては観客の方にも向けていましたが毎回目に入り、熱い気持ちにさせてくれました。
今振り返っても、藤井さんの思いが少なからずあったと感じています。
李:自分がノれば「決まる気しかしない」時がこれまでもありました。
今日がその状態だったと思います。
藤井のトスの速さぐらいのスピードで新が私に預けてくれたので、迷いなく打てました。
自分が決めれば新も乗ってくると思います。
今日は何が何でも決めるという思いがあり、新とのコンビで納得できる速さやタイミングのプレーが多かったです。
今後本数が増えれば、自然とタイミングが合い、2人ともこのタイミングで良いとつかめてくると思います。
明日も相手チームに対して、また自分たちのBクイックに対しても挑戦者として挑みたいと考えます。
――藤井さんの追悼試合ということで、改めて藤井さんがチームや自身にもたらしたもの、残したもの、思い出したことはあるか?
李:コートでの挨拶でも話しましたが、藤井の練習に対する姿勢は誰もが尊敬する部分です。決して満足しない選手でした。
ひたすら練習を欠かさない姿勢に本当に尊敬しています。
チームに対する責任感も素晴らしかったです。
選手への声掛けだったり、愛情面も素晴らしかったです。
人として素晴らしい資質を多く持つ選手だと感じます。
自分の一番の楽しかったエピソードは夏のバーベキューで..。
西本:めちゃくちゃプライベートですね。
李:プレーのことは皆さんに何度も伝えているので。
夏のバーベキューでスイカをどちらが早く食べ終わるか勝負し、負けてしまいましたが、あの笑顔は忘れられない良い思い出です。
西本:私は李さんと比べると短い年数の関係でしたが、思い出は多いです。
内定時、僕は凄く生意気でした。
このチームで藤井さんと組めば試合に出られると考えていました。
初練習で「藤井さん上げてください」と言いに行った時、「お前…来たな」という顔をされたのが第一印象です。
藤井さんはこう入って欲しいと要求するセッターだと感じました。
僕としても頭を使うセッターの1人だと思います。
1年目は試合に出られませんでした。
リザーブエリアで盛り上げていた時、今は遠慮する選手も多いですが、藤井さんは一緒になって頭を使い、わざとバカになって合わせてくれました。
そんな選手はなかなかいないと思います。
心強かったですし、上の選手がこうやってくれると下の選手はついていこうと思えます。
プライベートなことでいうと僕は結構生意気だったので、勘違いされることも多かったです。
藤井さんは僕が悩んでいることや本質を見抜いてくれました。
そういう人はなかなかいませんでした。
自分は(周りから)何も考えてないとか色々言われることがありますが、「お前は考えてるよ、いい選手になるよ」と言われた時、本当にすごいと感じました。
僕もそんな選手になりたいと思ったエピソードです。
李:もう一つだけ良いでしょうか。
今聞いて思い出したエピソードを伝えたいです。
藤井は戦術の勉強をひたすらしていました。
試合後に何度か同じ部屋になりましたが、どんなに遅く終わっても次の日の対策を映像を見ながらノートに書いていました。
そういうところに彼のすごさがあると思います。
夜遅いから早く寝ようという選手ではありません。
チームを勝たせるためにやるべきことを絶対にやり、映像を見て次のすべきことを整理する姿勢を、自分もそうですが皆さんにも見習ってほしいと考えます。
西本:確かにずっと見ていて研究していました。
――李選手へ。藤井さんとプレーしていない選手も増えているが年が経つにつれ、強くなる思いや繋いでいきたい気持ちを感じたか?
李:先ほどと同じ言葉の繰り返しになるかもしれませんが、練習に対する姿勢です。
オンとオフの切り替えが素晴らしく、オフでは気さくで無邪気な笑顔でしたが、練習に入るとスイッチが切り替わります。
バレーに100%向き合い、自分に厳しくなる姿勢が練習開始と同時に現れます。
笑顔がなくなり、本気で毎回取り組む姿勢を尊敬しています。
それは伝えていかなければならないと考えます。
勝利に対する責任感もあります。
天皇杯の準決勝で名古屋に負けた時、「自分のせいで負けた。ごめん」と言える覚悟がありました。
毎回矢印を自分に向けていました。
その責任感や勝利への執念が藤井を押し上げていたと思います。
最後に愛情があり、若手に手を差し伸べてくれます。なんか悪いとこないなって..話していて(笑)
西本:めちゃくちゃ好きですね。
李:これは好きなんだな(笑)人間味があります。
上とも下とも話ができ、先輩とも後輩とも仲良くできる万能で素晴らしい選手でした。
繋げるのは難しいかもしれませんが、そういう人がいたと伝えたいです。
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