2026-06-22 17:33 追加
【バレー】大塚達宣ロングインタビュー 2ヶ月の戦線離脱、そして崖っぷちで見せた「下を向いた波を自ら引き上げる力」【中編】
Others / 全日本代表 男子
主力レチネの負傷、主砲レゲルスを活かすためのパス
しかし、プレーオフ第1戦の直前、さらなる試練がミラノを襲う。大塚と共にレギュラーとして対角を組んできた主力OHのフランチェスコ・レチネ選手が、練習中に大怪我を負ってしまったのだ。
「レチネの怪我は重いものですし、復帰期間もすごくかかる。本人の気持ちを考えると……。でも、あれだけチームをみんなで引っ張ってきて、僕が怪我している時もレチネは、ずっと声をかけ続けてくれた。だからこそ、次は自分がケガから帰って、彼の分まで上を目指してやりたいという気持ちがすごく強くなった。自分がもっと中心になってやらなきゃいけないという自覚が、さらに芽生えた瞬間でした」
準々決勝の相手は、今季コッパ・イタリアを初制覇し、ブラジル代表のダルラン・ソウザや前年度、アジアチャンピオンズリーグで日本のバレーファンを驚かせたノーモリーケイタら、爆発的な能力を持つ選手を擁する強豪ベローナ。第1戦をストレートで落とし、レチネの穴を埋めるために急遽実戦経験を積んできた若いイキノ選手らが奮闘するも、第2戦もフルセットの末に落とす。5戦3勝制のプレーオフで、ミラノは2敗という崖っぷちに立たされた。アウェイで行われる第3戦、大塚は自らの持ち味をすべて爆発させる。
「僕は、自分のパス(サーブレシーブ)からリズムを作る選手だと自分でも思っている。ボールをたくさん触って、それからスパイクを打つというのが一番リズムを作れるパターン」
ベローナのビッグサーバーたちが大塚をターゲット(狙い打ち)にしてくる中、大塚とリベロで耐え抜き、正確なパスを供給し続けた。パスが返ることで、チームを引っ張り続ける絶対的な主砲オポジット、フェルレ・レゲルス選手への配球や、ミドルのセンター線が機能し始める。
「いくらレゲルスがいても、パスが返らなくていい状態で繋げなかったら、良いものも機能しなくなってしまう。だからこそサーブレシーブをしっかり頑張ろうと。第3戦は、相手のミスにも助けられましたけど、自分たちがしっかり粘って泥臭く1点を取れたからこそ、フルセットでアウェイの勝ちに繋がった。
ミーティングでの対策も大事ですけど、試合の中で上手くいかない時があっても、下に行ってしまった波を、自分自身でグッと上に持ち上げる。それはやっぱり長くコートに立っているスタートの選手じゃないとできないこと。そこをどれだけ踏ん張れるかでした」

敵地で値千金の1勝を奪い返したミラノ。しかし、過酷な日程とコンディション不良の波が、チームの限界を告げようとしていた。
(後編へ続く)
取材:中西美雁
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