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インタビュー

2015-06-11 17:35 追加

気がつけば全日本へ。浅野博亮インタビュー

SV男子

−−来シーズンの目標は?

浅野:まずはファイナル3が目標。チームとしては優勝ですけど、自分の中ではファイナル3。個人でしたら、14/15シーズンは最初レギュラーじゃなかったので、出だしからレギュラーで出て、レギュラーから外れることなく、浅野がいなければダメだと言われるくらいになりたい。

−−ジェイテクトは高橋和人選手や古田選手とサイドの競争が激しいですが。

浅野:負けたくないですね。できたら、常に出ていたい。

−−高橋和人さんは全て自分の上だと言っていましたが、どこで勝ちますか?

浅野:確実に勝てるというのは、チームで盛り上げられること。カズさんは冷静なタイプなので、その点でチームを盛り上げられるのは若手ですし、そこは勝てると思う。あとは、サーブカットはカズさんくらいの安定度に並べれば。スパイクの決定率は、本人の前では言えませんが、去年、今年は決定率では勝ったのでそこでは負けないように。ただ、精神面が違うので、勝負所での心の強さというか、向こうの方が凄いので、全日本でもそこのところを鍛えていきたい。

−−海外に行ったことはあるのですか?

浅野:韓国は行ったことあります。

−−代表で遠征となると、海外に行けるチャンスがあるので、アホな質問ですが、そういう楽しみ方もあるのかなと。

ワールドリーグフランス戦で、スパイカーとしても全日本デビュー

ワールドリーグフランス戦で、スパイカーとしても全日本デビュー

浅野:自分は……、ぶっちゃけた話、日本でのワールドリーグはめっちゃ緊張するので行きたくない。海外のワールドリーグに行きたいですね。

−−そんなことを言うほど「緊張しぃ」なのですか(笑)

浅野:死ぬほど緊張しますよ! 他の選手全員に聞けばわかりますが、試合前に吐きそうになっています。

−−今でもですか。何にくるのですか?

浅野:元々心配性。あれだけ練習したけど本番で試合でサーブカットが返るかな、スパイク決まるかなとか思ってしまいます。前の日から調子悪くなる。試合が始まると必死なので、忘れちゃうのですが。始まるまでが本当に緊張しっぱなし。

−−来シーズンはそこが、心が鍛えるというのが。

浅野:そうです。チームでも、全日本でも、心を鍛えます。

−−全日本で仲良いのは?

浅野:同期の深津(英臣、パナソニック)と渡辺(奏吾、パナソニック)。堺ブレイザーズのオポジットの松岡さんは東海リーグ選抜とかでも一緒にやっていたので。出來田君とかも仲良くなりました。先輩もやさしいですし。

−−割ととけ込めたんですね。

浅野:いやぁ、人見知りですよ。年下の石川君とかまだ話してない。

−−あと、ジェイテクトについてですが、チーム内が非常に仲良い印象がありますが。

浅野:仲が良いですね。なんですかね、うちのチーム、試合中にふざけちゃってます。お祭りみたいにやっています。他のチームがガッツリ気合い入れて、点を決めてワー! とやるところ、自分たちは試合の中で、変なことを言うと、馬鹿話をしている。自分たちが盛り上がるモチベーションに繋がる。うちのチームは気合いでワー! という感じではない。慎治さんは、自分がサーブを打つ前に重なる時があって、サーブがダイレクトで返ってきてミスしたりする時があったのですけど、その時に慎治さんが「ダイレクトはどうするの」って聞いてきて、こちらも「チャンス取りまーす!」って。試合中にやっています。

−−言葉を変えてプレッシャーをかけてくるんですね(笑)

浅野:慎治さん、サーブカットの時とか自分の方をずーっと見てきて「ミスれ」みたいに見てきます(笑)

−−そっちのプレッシャーですか(笑)

浅野:はい。

ジェイテクト名物、フルセットのファイナルセット開始時のクラウチングスタート

ジェイテクト名物、フルセットのファイナルセット開始時のクラウチングスタート。現在は残念ながら見られない

−−チャレンジ時代にやっていた5セット目のクラウチングスタートといい、ジェイテクトはノリが良いですね。

浅野:おふざけが好きなので。松原(広輔)さんがサーブで入って決めた時は、魚を釣るパフォーマンスやりました。

−−ファンへの取り組みが面白いですね。

浅野:チャレンジから上がって、他のチームに比べてファンが少ないので、そういうので少しでも喜んでもらってほしい。あとだいぶ前に言われたのは、プレミアの選手は「自分たちが、プレミアの選手だぞ」という”凄い感”を出しているので、自分たちはチャレンジからあがってまだ短いので、そうなるなよって言われた記憶があります。

−−各試合会場でジェイテクトはファンが試合に多く来ますよね。ファンに対して密着しているというか。

浅野:ずっとチャレンジやっていたので、俺たちが凄いんだぜ、プレミアだぜていうのはないのかもしれないですね。あとは、チャレンジで凄く苦労している選手がたくさんいるので、周りにどれだけ助けてもらったのを知っているのではないでしょうか。

−−バレーそのものよりも、人間的に成長できやすいというか。

浅野:仕事もしていますし、社会人として身に付く。プロではないので。

−−ちなみに部署は?

浅野:人事部です。

−−今会社へは。

浅野:午前のみですね。午後は練習です。

−−会社での仕事ってどれくらいするんですか?

浅野:部署によりますけど、普通にやっている人もいます。ただ、今の若手は少なくしてもらっている。人の半分しかできないので。ただ、元々1日でやっていた上の人たちは、仕事があるので前残業やったりしていますね。昔は17時まで仕事をやっていたので。

ジェイテクト浅野インタビュ01-s−−プレミアに上がって、若干状況が変わったのですね。

浅野:そうですね。自分たちは緩くしてもらっていますが、上の方はそれなりに職位も持っていますし、前残業したり大変です。

−−そう考えると、バレーできるありがたみを感じますね。

浅野:上の人はそう言っていますね。

−−なるほど。そういう思いも感じてプレイすることも、チーム愛や強さに繋がるのかもしれませんね。長時間インタビューを受けて頂きありがとうございました。

浅野:ありがとうございました。

 

●インタビューを終えて。

この取材から一カ月が経過しているが、その間にワールドリーグで全日本デビューを果たした。インタビュー時に話していた、そこまで全日本に対して欲は無かったというのが、変わったのかどうか。日本を代表してコートに立ちプレイをする重さを知ってしまうと、また色んな面で浅野選手に変化をもたらしているはずだと思う。この時のインタビューとどう答えが変わっていっていくのか、取材をしながら考えていた。

 

浅野博亮(あさの・ひろあき)

1990年10月6日、長野県安曇野市出身。178cm。ウィングスパイカー。長野日本大学高校、愛知大学と進み、2012年よりジェイテクトSTINGSに所属。高校2年時に国体準優勝、春高ベスト16。大学3年時に西日本インカレ優勝。2015年に全日本初選出。

聞き手:大塚淳史
写真:坂本清 Miyuki 大塚淳史

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