2017年１月に入り、越川は突然のビーチバレー転向を表明した。シーズン前に転向を発表していた石島雄介と並び、北京五輪出場のヒーローがインドアから一緒に去ることとなった。驚きと、さみしさと。でも、きっとこれでよかったのだ。大学進学をやめてサントリーに入社したり、プロ契約に転向したり、海外に挑戦したり、JTに移籍したり。彼はいつも驚きとともに何かにトライし、成し遂げてきた。今度もきっとそうなのだろう。

インドア最後の試合となった黒鷲旗優勝の記者会見で、私は先に述べたように引退する選手にいつも聞く、「思い出に残っている試合を３つあげて下さい」という質問をした。本当に聞きたかった「もし、今後インドアの全日本に招集されたら、戻って来てくれるのですか？」という質問は胸にしまったまま。ビーチバレー転向がたやすい道ではないことは、彼自身がよく分かっているだろう。だからこの記事をはなむけに送りたい。さようならの代わりに。

第2部（インドアラスト記者会見全文）に続く

文責：中西美雁
写真：坂本清　大塚淳史　宮崎治美

ページ: 1 2 3 4 5 6 7