2026-07-19 16:24 追加
【VNL】いつもと違うスタメン、その中で果たしたリベロの責任。山本智大が語るベルギー戦の舞台裏と「個の力」への信頼
全日本代表 男子
■切磋琢磨するライバル・小川智大との関係
前日の試合では、同じくリベロの小川智大選手が素晴らしいディグ(スパイクレシーブ)を連発し、チームを盛り上げていた。漢字まで同じ「智大(ともひろ)」の名を持つ、最強のライバルからの刺激について尋ねられると、山本は厚い信頼を口にした。
「(小川智大選手とは)お互いにやれることはもう分かっていますし、ライバル視するというよりは、2人で良いものを作り上げていければいいなと思っています。次の試合はきっと彼がやってくれる(活躍してくれる)と思っていますよ」
お互いを認め合い、高め合う。この世界トップレベルのリベロ2人が控えていることこそが、日本代表の最大の強みであることは間違いない。
■絶妙な二段トス。「甲斐の打ちやすいところへピンポイントで」
試合中、ファーストタッチ(1本目)が低くなってしまった場面で、山本がファーサイド(遠い位置)へ見事なアンダーハンドでの二段トスを上げ、それを甲斐が決めきるという、リベロの技術が光るシーンがあった。
「あの場面は、(大塚)達宣選手が1本目を低く上げてしまったので、僕が声を出して上げにいきました。甲斐の欲しいトスというか、打ちやすいところに持っていければいいなと思って上げたのですが、ピンポイントで合わせることができた。非常に良い1本だったなと思います」
単にボールを拾うだけでなく、スパイカーが最も力を発揮できるトスを提供する。その精度の高さが、苦しいラリーをモノにする鍵となった。
■スタメンが違っても、やるべきことは「シンプルなコミュニケーション」

この日はいつもとスタメンが大きく異なっていたため、選手たちの感覚にも多少の影響があったという。しかし、山本はリベロとして、チームを落ち着かせることに徹底していた。
「スターティングメンバーがいつもと違っていたので、パスの連携であったり、コート内でのコミュニケーションであったり、そういった『シンプルなこと』を徹底してやるように意識していました。ベルギーは本当に素晴らしいプレイヤーが揃っている良いチームでしたけど、相手のランキングが上とか下とかは関係なく、僕たちの持っているものを出そうと」
相手の2番・レゲルス選手による強力なサーブに対しても、チーム全員で対応。 「今日は大塚選手が良いタッチ(ワンタッチ)を取ってくれたり、良いパスを返してくれた。そこはナイスプレーでしたね」と、共にコートを守った大塚を称えることも忘れなかった。
最後に、スタメンとして大役を果たした若き大砲・甲斐優斗について話を振られると、山本は「あいつは、内に秘めているものが非常に多いですし、良いポテンシャルも持っている。今はまだ試合(スタメン)に出る機会は多くないかもしれないですけど……」と、これからの日本のバレー界を背負う後輩へ、期待を込めた温かい眼差しを向け、ミックスゾーンを後にした。
(2026年7月、VNLベルギー戦後のミックスゾーンにて取材・中西美雁)
写真:火野千鶴
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