2026-09-11 02:03 追加
高さに惑わされず掴んだ4ブロック——ミドルブロッカー小野寺太志が魅せた冷徹な洞察力とリーダーシップ
小野寺太志 アジア選手権 オーストラリア戦コメント
全日本代表 男子
9月8日、北九州市立総合体育館で行われたバレーボール男子アジア選手権のオーストラリア戦。日本代表がストレートで勝利を収めた一戦で、コートの中央で圧倒的な壁として立ちはだかったのがミドルブロッカーの小野寺太志だ。
わずか3セットの短期決戦の中で、一人で4つのブロックポイントを奪い、攻撃でも2得点を記録。数字面でも圧巻のパフォーマンスを見せた小野寺だが、試合後のミックスゾーンでは冷静にその勝因を語った。
「高さ」に焦らず、相手セッターの「癖」を見抜く

相手のオーストラリアは、大型セッターを擁する高身長のチーム。高いセットアップの位置から繰り出される攻撃に対し、小野寺は落ち着いた分析で対応していた。
「相手のセッターは身長も大きく手も長い。セットアップの位置もすごく高かったのですが、癖というか特徴をなんとなく理解していました。それに、高いけれどバレーのテンポ自体が早いわけではない。だからこそ焦らず、高さに惑わされずにブロックで反応できたことが、良い形に繋がったのかなと思います」
相手の「高さ」という威圧感に呑まれることなく、プレーの「テンポ」を見極めた眼力。それが3セットで4ブロックという驚異的な数字に結実した。
ネット越しに伝えた指示——ラリー中のコミュニケーション
試合中、ネット際で隣に立つ髙橋藍選手と頻繁に言葉を交わす場面が見られた。小野寺はそのやり取りの意図について、コート上の戦況を交えて明かす。
「トスのテンポ、特にライトへのトスがゆっくりだったので『クイックへのヘルプに行ってから(ライトへ)跳びに行ってほしい』という話をしました。相手のスパイカーも打ち分けが得意ではなかったので、トスが上がってからでも位置取りさえ決めれば、良いタッチやディグ(レシーブ)に繋げられるイメージがあった。それを伝えながら、展開に応じて話し合っていました」
自身のプレーだけでなく、ブロック陣全体の位置取りやディフェンスとの連携まで細かくデザインする。コート上の“司令塔”としての役割を完璧に果たしていた。
勝負のトーナメントへ——「勝つための準備」を徹底する
一発勝負の決勝トーナメント進出を決め、ここからの戦いに向けた意気込みを問われると、小野寺は気を引き締めたように言葉を紡いだ。
「ここからは負けられない戦いになりますが、一戦一戦『勝ち』を積み重ねるだけだと思っています。勝つために必要な準備とプレーをし続ける。ただそれだけです」
相手の狙いを見抜き、味方を動かし、最後は自らの手でシャットアウトする。経験豊富なミドルブロッカーの冷静な頭脳と高い遂行力は、頂点を目指す日本代表にとって揺るぎない武器となっている。
写真:VolleyballWorld、中西美雁
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